加藤博一
横浜大洋ホエールズ・近藤貞雄監督による「スーパーカートリオ」の一角を占めた、加藤博一。
高木豊、屋鋪要、そして加藤博一。この3人の中で最年長で、スーパーカートリオと命名された時点で33歳。でも、西鉄では試合に出してもらえず、阪神でもレギュラーとして活躍できたのは1年だけだった加藤にとって、1985年がもっとも輝いたシーズンであったことは間違いない。
現役なのにオフシーズンはスポーツバラエティ番組でレポーターみたいなことをやったりして、プロ野球界の峰竜太みたいな存在だった(と、勝手に思っている)。
しかし、私の中で加藤がいちばんかっこよく見えたのは、現役最終年。須藤豊監督1年目で、代打の切り札が加藤と田代、抑えのエースに遠藤を配し、ベテランをうまく使ったシーズンだった。
試合終盤のここぞというところで「俺を使え」「そうだ、ここは俺の出番だ」と言わんばかりの表情で打席に向かう加藤。「加藤って、そんなに打つ選手だったけかな」とは思いつつも、代打・加藤がコールされるのを楽しみにしていた。