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小児科病棟での思い出

みらさぽスタッフのおさいちゃんです。3年8ヶ月前、15歳の時小児がん(横紋筋肉腫)で娘栞里(しおり)を亡くしました。その時のことを少しづつ書いていこうと思います。


初めて見た景色

2020年、中2も終わりがけの2月、娘は入院した。MRIの結果悪性腫瘍と言われ「鼻と頭が痛いだけで即入院」を強いられた娘の納得いかない顔を思い出す。最初は、そんな感じで入院生活が始まった。
小児科病棟では、母の私が驚く病棟での日常があった。
そこには、ベットの上で治療しながら一日を過ごす、まだ小さな子供とママたちの姿。ここで、治療に向き合い狭い病室で生活が送られている現状に、ただただ驚いた。これまで元気に過ごしていた我が家には全く想像もつかない景色だった。

出会い

病棟での入院生活は、母親の私にとってもかけがえのないものとなった。
娘のいた4人部屋(小3、小5,中1,中2の娘)は、それぞれが小児がん(白血病・骨肉腫・横紋筋肉腫)にかかり入院していた。年齢の違うこの4人の仲良しトークに癒され、付き添いママの情報共有に励まされた。それぞれに娘を支える母たちは、一日中明るく元気に自分自身を懸命に奮い立たせていた。ただ、気になったことが一つあった。
それは、付き添うママたちが普段食べている物。病院内のコンビニで買うカップラーメンやおにぎり、パン、お菓子などだったことである。

変化

治療中、娘の最初の変化は、髪が抜けたこと。割と長かった髪がごっそり抜け落ち「私、はげたよ!!」と言って、丸坊主になった自分を写真で撮って送ってきた。次に起きた変化は、味覚がおかしくなったこと。ラムネ・ふ・ゼリー・ジュースなどつるっと食べられるようなものを好み、唯一飲むことができたのが私の作った肉水スープだった。抗がん剤治療と放射線治療の合間の期間に体調次第で週末家に外泊できるのを励みに、つらい治療も受け入れていた。
家族も、それぞれが当たり前の日常を過ごす中で「何故?」「どうして?」
...我が家に起きた出来事を受け入れられずにただ、祈った。
突然起きた、あまりにも衝撃的過ぎる出来事は家族から感情を奪っていった。


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