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授業の様子⑫:グローバルスタディーズ学科
8月の「授業の様子①」では、4月~5月の緒方ゼミの様子を紹介しました。今回は、その後のゼミの様子を紹介したいと思います。
6月~7月のゼミでは、まず、ゼミの8人全員が、自分が「生きてきたこと」と「生きていくこと」について思い思いに発表しました。そのうえで、京都市内で暮らす30代~40代の「一般の人」4名をゲストにお招きし、皆さんそれぞれの「ライフストーリー」に基づき、「生きていくこと」についてお話をうかがいました。毎回、授業の最後には、ゼミメンバーのひとりひとりが、ゲストの方に質問や感想を伝えました。
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(右手前、2022年7月5日撮影)
画家の琴塚吉太朗さん、ミュージシャンの日永田信一さん、ネパール料理店経営者のチャリセ・ジャヤさん、シェフ・ミュージシャン・スポーツインストラクターのBeneさんから様々な(壮絶な!)お話を聞いたり、作品を見せてもらったり、演奏してもらったり、歌ってもらったりしました。
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(2022年7月12日撮影)
最終回は、同じくグローバルスタディーズ学科のカインゼミ、そして人文学科のティーターゼミと合同で、ミャンマー人として日本で「やっと」難民認定され、難民支援や飲食店・介護職を担ってこられたアウン・ミャッ・ウィンさんのお話も聞くことができました。
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1)まず、相手の話を聞くこと、2)聞きながら自分が思ったことや、わからなかったことを相手に伝えること、3)自分が生きていくことについて改めて考えてみることを目標に、こうした授業を行いました。その総まとめとして、夏休み明けの10月7日には、本学の展示コミュニケーションセンター主催のイベント「アートをやる2」(座談会とライブ演奏)にゼミの皆と参加しました。
緒方ゼミの中には、作品制作や小説執筆、作詞や演奏活動を実践している人もいます。まだ「これ」というものを見つけていないけれど、ダンスが得意だったり、大好きな音楽やアイドルグループがあったり、関心のある文化を大切にしたりしている人もいます。好きなことを続けながら生きていくにはどうしたらいいのだろうか? やりたいことはあるけれど、余裕のない大学生活で焦りを感じてしまう…など、ゼミメンバーたちの質問にも、登壇者の皆さんは真摯に向き合って下さりました。大学を卒業した人も、安定した職に就いている人も、お金持ちではない人も、皆それぞれに悩み、工夫と経験を重ね、葛藤を抱き続けながらも「楽しむこと」を大切に、ときには「何もしないで休んで」生きている様子を垣間見ることができました。
【「アートをやる2」についてはこちらを↓】
https://gallery.kyoto-seika.ac.jp/program/program221007/
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(2022年10月7日、池田英史〈グローバルスタディーズ学科2年生〉撮影)
その後のゼミでは、「まわしよみ新聞」(陸奥2018、創元社)の手法を使って、「読む」→「見つける」→「調べる」→「発表する」→「書く」ことを練習しています。皆で10月17日~24日の京都新聞の朝刊を読み(冒頭の写真:2022年10月25日撮影)、関心を持った記事を切り抜きました。国内政治、国際関係、経済、歴史から、福祉、ジェンダー、子供・難民・被差別者に関する社会問題、COVID-19、観光、スポーツ、芸術、商業広告まで、様々な記事が切り抜かれました。この中から8人それぞれが一つ記事を選び、調べることで、「まわしよみ新聞」を11月中に仕上げます(模造紙ではなく、ホワイトボードにマグネットとカラーマジックで緒方ゼミオリジナルのまわしよみ新聞を創作します)。
こうした作業を通して、これから海外で行うフィールドワークの準備、そして卒業論文の執筆に向けた基礎的な方法の習得に、ゼミの皆はもがきながら、いま、励んでいます。
2022年11月21日
緒方しらべ(グローバルスタディーズ学科教員)