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「名前を付けて保存」「No!」

男は「古き良きものを愛す」 

といってしまえば響きはいいが、男性は前の彼女など特に自分の好んだものを美化しすぎではないだろうか。

よく商品などで「復刻版」を見かける。これはほぼ「男性向け」なのだ。稀に女性向けもあるものの、それは「りかちゃん」「キティちゃん」など昔からマイナーチェンジを繰り返しつつ、今も愛されている商品が多い。

復刻版とは 

すでに生産中止となった物やデザインを、過去の形のまま、また新たに生産すること。

だが男性向けの「復刻版」は違う。完全に生産が終わったものを販売する。そしてそれはすぐに完売する。「ファミコン」「AirMAX」など典型的な例だろう。

そして彼らはそのものに夢中になったあの頃を重ね、熱狂する・・・さてこれは何かに似ていることに気がつきはしないだろうか。

そう、男性が元カノに送る

「最近どう?元気にしてる?」

男性は折に触れてよく「最近どう?元気にしてる?」と送ってくる。これは女性にはない行動だ。ゆえに女性側から理解が得られず、無視されることが多いだろう。

わたしの知り合いにも元カノにこのメールを送るという男性がいるが、例にたがわず無視されるのだという。だが彼はまた半年くらい経つと送る。その理由を聞いてみた。

「返事がくればラッキー。既読がつけばつながってるんだと思う。未読のままでもまた送った特に既読になることもあるし、それで返事がくるかもしれない」

まったく理解できない。

「今でも好きなのか」と聞くと「うーん」とはっきりしない。典型的な「名前をつけて保存なのだ。なぜこんなことになってしまうのだろうか。

感情を表に出す機会が少ない男性

男性が失恋から立ち直る時間がかかる理由はこれが一番大きい。

失恋から立ち直る際に自然と行う「モーニングワーク」(このモーニングは「朝」ではなく「喪」の意味である)がなかなかできないからだ。

ショックの段階

怒りの段階

抑うつの段階

立ち直りの段階

このモーニングワークはこの4段階から成り立ち、「抑うつの段階」で、「二度と戻ることはない」という現実をきちんと受け入れることが次へ進む道とされている。ここで落ち込むことを避けると、その傷は延々と響いていく。

女性の場合、感情をあらわにする。失恋しようものならとにかく泣く。そして友達に思いのたけをぶつける。

どれだけ彼が好きだったのか、怒り、悲しみ、いろんな感情を出して泣く。そしてSNSでも発信する。

失恋しました」「今でも好きです」「忘れられない」とにかく自分の感情を発信していくのだ。女性は失恋をした瞬間に下を向きながら、ポチポチスマホを打つことができる。

比べて男性はどうだろう。男性の場合、すぐに下を向いたりしない。だいたい空を仰ぐ。それで「終わった」ことを理解する。そしてそのことを誰かに発信したりはしない

誰かに「最近彼女とどう?」と聞かれた際などに「実は・・・」と話すくらいだ。しかし内心は大荒れである。いつも鳴るはずのスマホ、彼女の置いていった小物を眺め、時間が経つにつれ空虚を感じる。

男性の場合、モーニングワークにおける波が非常に浅い。そして長く長く続いていく。

女性は爆発的に波がきて、一気に引いていく。個人や関係性にもよるが、たいがいこのパターンにあてはまる。

だから男性は「上書き保存」する前に、「名前を付けて保存」を選ぶのではないだろうか。

「名前を付けて保存」 脳

わたしの友人がたまたま元カノの家の近くにいくことがあり、誘って一緒にご飯を食べることになったが、その間彼女はずっと面白くなさそうな顔をしていたと不満をもらしていた。

わたしは彼女の気持ちがわかる。本気で好きで何度も喧嘩して、大好きなまま別れた相手から連絡がきたら「ご飯だけ」と行ってしまうだろう。彼女はずっと泣きあかし、やっと気持ちが整理がついた状況だからこそ彼と会ったのだ。

だが好きだったころの彼はもういなかった

好きだからこそ笑い方、話し方、話す内容、すべてが愛しかったのに、上書き保存されている脳では「この人の何が好きだったんだろう」そう感じても不思議ではない。

一方、彼の中では「あのころはよかった」「あの時間が楽しかった」そんな気持ちのままである。

まさに「復刻版」

だが想像と違ったのだ。こんなはずじゃない。なんで楽しそうじゃないんだろう。冷たい瞳の彼女と美化された彼女を比べてしまい、お互い気まずいまま全てが終わったのだ。

男性は不器用な生き物だ。失恋での感情を無駄にあらわすこともせず、一人になった時にだけ自分の感情に素直になることができる。

失恋で自分を否定されたと思い、誰かにすがりつきたい辛さに一人耐えるのだ。「男だから」そんなプライドかもしれないし、女性を守る本能かもしれない。

ジェンダー論が活発になっている時に時代遅れな考えだとしても、わたしは恋愛対象が男性である以上、男性のそういう部分をいとおしく感じるのだ。

だからこそ余計に跡を濁されれば濁されるほどその恋愛ごとdelete(消去)してしまいたくなるのが女心というもので、そしてその行為は「ねえちょっと聞いてよwww」そんな女性同士の笑いの種にしかならない。

「最近どう?元気にしてる?」 

だからこそこれは奮起のための自分への言葉に留めておいてはいかがだろう。

愛に復刻版はない。愛だけは最新版でなければならないのだから。

最後まで読んでいただきありがとうございます。まだまだ不慣れですがサポートいただけるように頑張っていきます❤︎