新卒の成長観測方法を考える
新卒研修を始めて1ヶ月が経った。
すでに配属され、OJTに切り替わっている会社も多いだろう。
研修を終えた後の育成状況の観測はどのように実施していますか?
新卒は、特に1年目の成長がキモだと思う。
もっとも伸びしろがある時期にどれだけストレッチした成長を望み、行動できるよう後押しできるかが人事としての使命だと思っている。
特に当社のようにエンジニアを新卒として採用している場合には、技術的なことは私も指導できないため、「教育」や「育成」という言葉はとてもおこがましい。あくまで支援である。でもきっと同職種だったとしても同じことなのではないかと最近は思っている。
そして、まずはマインドセットこと「支援」だと思う。
高く明確なキャリアゴールを描き、仕事の意義を理解させ、内的動機づけによって行動できるようにする。
※内的動機づけ:物事に興味や関心を持つことで意欲が沸き起こり、達成感や満足感、充実感を得たいという、人の内面的な要因によって動機付けられること(外的動機づけは報酬や懲罰等が該当)
キャリアを考えたり、会社が求めるレベルを伝えたりすると、当然現状とのギャップが見えてきて、課題が浮き彫りになる。この課題をすべて洗い出し、すべてクリアにした状態で、現場へ送り出すことが人事としては理想だと思っている。
そのための取り組みをこの記事では紹介したい。
(前置きが長くなりました。。。)
目標とタスクの紐付け
まず、当社では日報を書くことで、日々課題と向き合ってもらうように取り組んでいる。フリーフォーマットではなく、3つのカテゴリで記入してもらうようになっており、その1つが目標管理だ。
キャリアゴールから、今月のゴール、明日のゴールとブレイクダウンさせていくもの。
そして、その目標の横にタスクを書く欄がある。
これにより、目標にそったタスクに関われているかが一目でわかる。
そうすると、やらなければいけないことだけでなく、内在する「やりたいこと」にも必然とフォーカスできる。
目標達成のために、明日はこんなことをやりたい、こっちを優先した方がいいという話ができるのだ。実務では案件のアサインなどにも活用でき、目標と合致したタスクであれば、本人のモチベーションがもっとも高い状態で望んでもらうことができる。
この考え方が癖づいてくると、内的動機づけができる人へと変容する。
課題管理(KTP)
そして最後に1日の振り返りを書く欄がある。
ここでは全体的な所感と、課題について書いてもらっている。
日々新しいことを学んでいるため、必ず毎日課題が見つかる。この課題をすべてクリアすることが冒頭に伝えた人事としての理想である。
しかし、この課題管理には一つ問題があり、日報なので過去のものを振り返りにくいのだ。新しい課題が見つかるとそっちにフォーカスして過去のものが抜けてしまう。そのため、これまでは課題が蓄積されていなかった。
そこで今年から課題を蓄積するために「課題管理表」というものを作成した。運用しやすいように本当にシンプルな作りだ。課題を羅列して、そのステータスを書くだけ。ステータスの管理には「KTP」という手法を使うことにした。
K:Keep →継続してその課題を意識して取り組む
T:Try →すぐにクリアは難しいストレッチした課題
P:Problem →ずっとクリアができていなくて、アクション見直し要
TryだったものがKeepになり、クリアしてると思ったらDone、ずっと解決しなかったらProblemになる。成長の推移がわかりやすいので、本人だけではなく、上司もマネジメントしやすい。
まだ導入して、期間は短いがすでに課題を50以上記入している新卒も出てきており、これをどうクリアにつなげてあげようか、日々考えるのが私のやりがいだったりする。
実際にクリアされたものがどの程度で、それが現場に出た時の評価とどのように紐付いてくるか、これから定点観測をしていきたい。
また自身のまとめがてら報告します。