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二次創作が盛んなコミケの世界。法律的に大丈夫?【著作権】

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。今日のテーマですけれども、「二次創作が盛んなコミケの世界 法律的に大丈夫?」というお話をしたいと思います。

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コミケにおける法律

コミケにおける法律については複数の方からご質問をいただいたのでお答えしたいと思います。コミケとはコミックマーケットの略で既存のアニメやキャラクターを使い、オリジナルストーリーを作る同人誌の即売会のことです。またコスプレイヤーやオタク、アニメの祭典として非常に人気があり、朝から大行列ができるイベントとしても知られています。

二次創作は著作権法的に問題?

では、既存のキャラクターを使い自分なりのオリジナル創作をしている同人誌、いわゆる二次創作は著作権法的には問題ないのでしょうか。
実は、これは厳密にいうと法律的にはアウトだと思います。以前、著作権法にふれるかどうかは類似性・依拠性の有無によるとご説明しましたが、依拠性はもちろん、そのまま既存のキャラクターを使っていることから類似性もあると考えられます。つまり、既存のキャラクターを使う、既存のストーリーを変えることは著作権法的にはアウトになるわけです。

しかし、実際にはマスコミにも取り上げられるほど大々的にコミケは開催されています。これはなぜかというと、著作権者といわれる権利者が黙認しているところがあるかと思います。著作権の場合は親告罪といい、権利者が「これはダメでしょ」と言わない限り事件にはなりません。ですので、権利者が「まぁいいか」と思うのであれば、それはよいということになり、ある意味グレーな部分となっています。

同人誌の発売で逮捕も

このようにコミケは大々的に開催されていますが、実は同人誌の発売における逮捕事例もあります。『ポケットモンスター』の二次創作同人誌を制作、販売していたとして京都府警に逮捕されたケースや漫画『ドラえもん』の最終話と称した同人誌が藤子プロから警告を受けたケースがあります。
 
二次創作については基本的にはアウトといえばアウトであり、権利者がダメといえばダメです。しかし一大マーケットとなっており、ある意味では宣伝となっている部分もあります。コアなファンが宣伝活動をしてくれているということで絶妙なバランスで成り立っており、法律にはふれるけれども権利者が黙認をしているという形なのかもしれません。

コミケ・同人誌のOK・NG例

実際の逮捕事例があることを考えると、許される場合と許されない場合はどこなのでしょうか。これについてはもちろん明確な線引きはできず、権利者次第となります。権利者がダメといえばダメ、よいといえばよいという話にはなりますが、通常は即売会の中だけならOKとされているようです。コミケで販売するだけであればひとつの産業となっており、宣伝や経済効果があるということで許されているのかと思います。しかし、即売会以外にもネット販売や正規品そっくりの同人グッズの販売など大々的な商売をするとアウトになるのかもしれません。また、内容が既存の作品の世界観を損なわせるようなものの場合もアウトになる可能性があります。

コミケの世界については、著作権的には問題になることをおさえたうえで運用していかなければいけないかと思います。

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