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利用規約の「損害賠償●万円を上限」は無効?改正消費者契約法が5月1日から施行!

皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、利用規約の「損害賠償●万円を上限」は無効?というお話をしたいと思います。

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損害賠償の上限規定が無効になる?

利用規約などを見ていると、損害賠償を負う場合だったとしても「1万円を上限とします」などの上限規定が設けられている場合があります。これがもしかすると無効になるかもしれないというお話です。
2022年5月に消費者契約法が改正されました。これが2023年5月1日から施行、つまりスタートします。消費者契約法は色々と変わっていますが、その中の1つとして消費者契約法8条3項があります。これは損害賠償請求の一部免除について規定されたものです。損害賠償請求の一部免除とは、さきほど例を出したように「本当は100万円だけれども、上限を1万円にします」と一部を免除しているわけです。これが改正により、軽過失による行為のみに適用されることを明らかにしない条項については無効だとされました。
逆にいうと、故意、わざと行った場合やわざとに匹敵するような重大なうっかりで損害を与えた場合、損害賠償責任の一部免除が適用されないことを明確にしなければいけません。つまり、一部免除は「軽過失だけに認められる」ときちんと書いておかなければ2023年5月1日からは無効になってしまうわけです。

法律的にOKな条項案


たとえば、条項案として下記のようなものがあるとします。
「本サービスの利用に関し当社が損害賠償を負う場合、1万円を限度額として賠償責任を負うものとします。」
これだけだと、軽過失の場合だけの適用で故意・重過失の場合はこの条項は適用除外だと書かれておらず無効になる可能性があります。ですので、これに加えて新しい条項案では次のように明記する必要があります。
「ただし、当社に故意又は重過失がある場合を除く。」
 もしくは、「ただし、これは軽過失がある場合のみとする。」
と明確にしておくことが重要です。
これについては利用規約の免責事項の部分に書かれていると思いますので、今一度自社の免責事項をよく読んでいただきたいと思います。もし上限規定がある場合は「故意・重過失が省かれた表現なのか」「軽過失のみに適用されると明記されているのか」を十分に注意して確認していただければと思います。

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