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生成AIで芸能人の顔を使って新たな自分物画像を作るのは法的にあり?
皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、生成AIで芸能人の顔を使って新たな人物画像をつくるのはあり?というお話をしたいと思います。
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生成AIで芸能人に似ている人物画像をつくる…法律は?
「生成AIで芸能人に似ている人物画像をつくることはどうなの?」というご質問を頻繁にいただくのでご説明したいと思います。
AIでつくられたキャラクターがCMに使われたという事例もありましたが、たとえば芸能人の画像を大量に読み込ませ、新しい芸能人アバターをつくるとします。美男美女といわれるような有名人の方たちを集めるとすごい芸能人ができるのではと考える方もいるかもしれませんが、これを実際に行うとどうなるのでしょうか。
ここで問題となるのは、肖像権やパブリシティ権です。パブリシティ権とは芸能人や有名人に認められている権利ですが、これらを侵害するかどうかがポイントとなります。
ある特定の芸能人の写真を読み込ませる
まず、特定少数の芸能人の写真を読み込ませ、その芸能人に似たAIを生成させた場合にはがあります。なぜなら特定の俳優、アイドルを読み込ませてほぼ同じような画像を生成したとすると、それは意図的につくっていると判断されるからです。
色々な人物の写真を読み込ませる
では次にいろいろな人の顔を読み込ませた結果、偶然ある特定の有名人に似たAIが生成されてしまったとします。この場合も同様に肖像権やパブリシティ権侵害の可能性があります。目元が似ていて雰囲気が出ているなど特徴が同じ場合、それが意図してつくられたわけではなくても公表をしてしまうと肖像権やパブリシティ権の侵害の可能性が出てきます。たとえば「〇〇似生成AI」などといった売り出し方をしてしまうと、確実にパブリシティ権の侵害となります。「〇〇似」とまではいわなくとも、「月9ドラマで有名な」など特定の有名人の顔が浮かんでしまうような悪意のある公表の仕方をすると肖像権やパブリシティ権の侵害となるかと思います。
生成AIである人物画像をつくること自体に問題はありません。しかし、特定の有名人と特徴的に同じ場合や「〇〇似」といった形である人物を想起させるような場合についてはNGとなる可能性が高いかと思います。
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