クレーマーへ言ってはいけないNGワード&効果的なワード
皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
クレーマー対策という事ですが、まずクレーマー対策としてやってはいけない対応、言ってはいけないワードがあります。今回はそれを見ていきます。
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それが「ですから」、「だって」、「でも」という言葉です。この3ワードはNGです。なぜかというと、前回もお伝えしましたが、クレーマーというのはそもそも相手と合意を取って生産的な会話をしましょうというわけではなく、自分の要求を通す、不当な要求を通すというのが悪質なクレーマーです。そうなると、いちいちいちゃもんをつけてきます。
例えば、「ですから~という事を言っているじゃないですか」の様な事を言うと、「何だ、その態度は」となります。「だって」、「でも」などの相手を拒絶する言葉や、「ですから」という上から目線の言葉を言うと、向こうは揚げ足取りやいちゃもんをつけてきます。「何だ、その偉そうな態度は」となしまったり、「でも」と言うと、「いやいや、俺の話を聞けよ」となってしまい、ワーッと永遠と言い合いになってしまうわけです。
この様な相手方の要求を拒絶する様な事を言ってしまうと、そこでまた相手に火がついて、付け入る隙を与えてしまうという事があります。ですので、これは言わない様にしましょう。言ってしまいたい気持ちも凄く分かります。同じ話の繰り返しや、よく分からない事を言われて「いや、でもね」や「ですから」と言いたくなるのは非常に良く分かるのですが、これは言わないと決めて意識して下さい。出そうになったら、言わないという事を意識しないとついつい出てしまいますので、ここを意識するという事がまず大切かなという風に思います。
クレーマー対策として良い対応
では、相手からバーッと言われた時にクレーマー対策として良い対応とは何なのかというと、前回の動画でもお伝えした通り、議論をすると負けです。議論をして打ち負かそう、生産的な合意のケースを目指そうという事は無駄です。ですので、何をしなければいけないかというと、何か言われたら「あぁ、そうですか」、「承知しました」、「失礼いたしました」といった形で受止める事です。受け入れる必要はありませんが、まずは拒絶をしないで、「分かりました」、「そうですか」、「承知いたしました」、「それは失礼いたしました」という形でまずは受止めるという事が大事かなと思います。その様に話を聞いていくうちに、クレーマーの方たちも、話を聞いてくれた事によってある程度おさまるという事が結構あります。ですので、まずは話を聞くという事が大事かなと思います。
そこで「ですから」と言ってしまうと火に油を注ぐ事になってしまうかもしれないので、そこは注意しなければいけません。
人のせい話法とは
1つテクニックとして、交渉術の話ですが“人のせい話法”というものがあります。人のせいなんですという事です。クレームの電話を受けて色々対応をするのですが、例えば、「私はできるだけお客様の意向に沿いたいと思っています。でも会社がね…」などと会社のせいにするというのが1つあると思います。特に会社でクレーム担当をされている方は「私はなるべく沿いたいのですが…でも会社が…」という形で、相手の注意をそらすという事もあるかなと思います。ワードとしては「私1人では判断できません。社内でしっかり協議し、お返事いたします。」これは締めの言葉ですね。
ある程度聞いて、意味のない謝罪をして、それでもワーッと言ってくるようであれば「そうですね」、「なるほどですね」と受け止めて、「分かりました、私1人では判断できません。社内でしっかりと協議し、お返事いたします」という風に最後締めくくるというのがよいと思います。
ここで議論をしてもしょうがないです。ここで議論をして生産的な合意ができれば良いですが、悪質なクレーマーの方はそもそも不当な要求をしているので、そこはなかなか難しいかなという風に思います。ある程度、話をして話を聞いたら、切り上げる方法としてはという事が大事です。
ギブアップ話法
クレーマーの方たちというのは、こちらから拒絶したり押し返したりすると倍の熱量で返してくる部分があります。よくあるのは”ギブアップ話法“といって、「そうですよね、困りましたね」や、「苦しいですね、私も苦しいんですよ」、また、脅される様な事を言われた時には「ちょっと怖いですね、それは」という風に素直に感情を出します。自分の負けというか、自分の困ったなという感情を出してしまうというものです。
クレーマーの中バーッと言って、言い返されるという事を想定して話している方がいらっしゃいます。言い返すと更に倍の熱量になって言い返されますが、クレーマーにとって反論はガソリンだと思って下さい。逆に反論してしまうと、それをエネルギーにして更に不当な要求をしてくるという形になります。通常の人はそれをやってしまうので、クレーマーもバーッと要求をすると反論されるだろうと思うわけです。ですが、その時に「困りましたね」や、「苦しいですね」、「怖いですね」と受け止められ、反論してこないとあれ?と思って勢いがそがれるという事があります。これは実際、私もよく使います。弁護士に電話をかけてくる方は、弁護士という事で凄く反論してくるのではないかと身構える方も多いのです。しかし、その時に「いやぁ、困っていますね。私も困っているんです。困りましたね。」、「いやぁ、苦しいですね、それは。」、「怖いですね、その要求。」といった感情を表に出す表現をすると結構、相手も怯む事があります。いったんは受止めるけれども、反論せずに「困りましたね」という形で言うというのも1つあるかなと思います。
何度も申し上げていますが、クレーマー対策は議論をしては負けます。議論をしては負けです。相手の土俵に乗らないという事が凄く大事になってきます。こういった「人のせいなんです」、「会社が…」、「困りましたね」といった話法をきちっと使ってクレーマーに対応していただければと思います。是非、クレーマー対策に役立てて下さい。
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