ChatGPTで作ったコンテンツの商用利用は可能?
皆さま、こんにちは。
弁護士をしております、中野秀俊と申します。
今日のテーマですけれども、ChatGPTで作ったコンテンツの商用利用は可能?というお話をしたいと思います。
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ChatGPTで作ったコンテンツの著作権はどうなる?
ChatGPTで作ったコンテンツについては「どのような利用が可能ですか?」というご質問が多くあったので少しご説明したいと思います。
ChatGPTでは文章など様々なコンテンツが生成できます。まずはこのChatGPTを使って作ったコンテンツの著作権が誰に帰属するのかというお話をしたいと思います。ChatGPTの利用規約では著作権はコンテンツを作ったユーザーにあるとされています。つまりChatGPTを使って生成したコンテンツの著作権はユーザーにあるため、そのコンテンツをどのように使おうともユーザーの自由となります。このことから「商用利用は可能ですか?」というご質問に対する答えとしては「ユーザーは商用利用が可能です」となります。ユーザーに著作権がある以上それをどう使うかはコンテンツを作ったユーザー次第となるわけです。
ChatGPTで作ったコンテンツが著作権侵害と言われたら?
次に問題となる点として考えられるのがChatGPTで作ったコンテンツが著作権侵害とされた場合です。たとえば、ある既存の文書と類似の文書を出した、もしくは逆に自分のコンテンツと類似した文章を出された場合にどうなるのかです。これについては、まずどのような場合に著作権侵害にあたるのかをご説明します。著作権侵害は2つの要件を満たす必要があります。1つ目は類似性です。類似性とは同一、または似ているということです。ここで実際にChatGPTを使って似ているものが出された場合にすぐに著作権侵害になるかというと、そうではありません。ここで重要なのが2つ目の要件である依拠性です。依拠性とは元のコンテンツを参考にして作った、つまりマネをして作ったということです。ChatGPTに「こういう文章を作ってください」と指示を出してChatGPTが文章を作った場合、元のコンテンツを参考にしたとはいえません。その結果、依拠性がなくなるので著作権侵害には当たらないと考えられます。ただ、実際の裁判ではこの依拠性がないことを積極的に立証する必要があります。つまりそのコンテンツはChatGPTが作ったものであることをきちんと立証しなければいけないわけです。実際に検証した際に同様の文章が生成されれば問題ありませんが、ChatGPT は日々進化しており同じ指示をしても違ったコンテンツが生成されることがあります。ChatGPT で作ったコンテンツについては作成画面をスクリーンショットなどで証拠化しておくことが非常に重要かと思います。
ChatGPTについてはまだまだ新しい技術なのでこれから判例が出てくると思いますが、今回ご説明した点については特に注意をしていただければと思います。
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