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犯罪心理学への興味

 アメリカ留学を決めた時のエッセイでは、「英文学の過程で博士号を取り、日本の大学で教えたい」というようなことを書いた。しかし、自分の目標は目的は、自分の成長と共に変わる。心理学の正規のクラスを取るようになってから、私の興味は、犯罪心理学へと変わっていった。

 目標は、FBIの心理捜査官になることへと変わった。「FBIって外国人もなれるのか」という質問をしたい人はいるだろうが、もう少し話を続けよう。

 警察に興味があったのか? そういうわけではない。正しいことをしたいという欲求は常にあるが、それが警察とは限らない。ただ、真実を追求したいといういい方の方がより正確である。

 世の中には、未解決事件がいくつもある。その中で、誤認逮捕もあったことだろう。なぜ犯人が見つけられないのか? なぜ犯人が次の犯行を起こすだろうと思うのか? なぜ犯人が捕まらずに逃げ続けることが出来ているのか? そういう行動パターンの内的要因を分析し考察するのが好きだった。

 プロファイラーを知ったきっかけは、テレビ番組で取り上げられていた、FBIの霊視による捜査だった。それは、プロファイリングではなく、リーディングによるものだが、それをきっかけとして現場の状況や証拠を元に、容疑者の行動パターンを探るというプロファイリングの存在を知った。

また、プロファイリングは、連続殺人犯を逮捕する際に使われていることも知り、連続殺人犯に纏わる本を、ニューヨークの紀伊国屋書店で購入するか、日本に一時帰国した際に古本屋で購入したりして独学した。

すると、今度は連続殺人犯の行動パターンに興味が出てきた。犯罪を重ねれば重ねる程、学習していくために見つかりにくくなる。衝動的でないからこそ、逃げおおせるその大胆さにも感服したと同時に、このまま読み続けていくと、自分の頭の中が、連続殺人犯と同じものになってしまうことを懸念して本を読むのを止めた。

元々、どの大学にも、犯罪心理学に相当するCriminal PsychologyやForensic Psychologyという専門は殆どない。そこで、心理学を主専攻と社会学を副専攻とすることで、社会学の中に含まれる犯罪学を学んだ。

化学のクラスでは、「法科学」というクラスがあり、鑑識課が行うことを実験を交えて教えてくれるクラスもあった。例で言うと、「犯人の足跡から型を取る方法」「DNA鑑定」「筆跡鑑定」「銃痕鑑定」など、警察物のドラマでよく見るようなことを、クラスの中で教えてくれた。

これは非常に興味深かった。そういうことは、FBIのアカデミーでしか教えて貰えないと思っていたからだ。日本の大学に、こういうクラスがあるのかは知らないが、やってみたいと思うクラスが無限に存在するような気がしていた。

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