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大学合格

 受験では、3教科の点数が合格点に達する必要があったが、留学は、TOEFLとSATのスコアと、エッセイの出来栄えで合否が決まる。このエージェント通すとSATとTOEFLが免除で、エッセイだけで合否が決まる取り決めになっていた。

 私は、当時のエッセイに、「将来は大学で英語を教える仕事に就きながら、予備校でも英語を教えていきたい」と書いた。その夢を実現するために、大学で生きた英語を学びたい、というような事を書いたと記憶している。

 何日待ったか覚えていないが、合否の連絡は、郵送で届いた。見事に「合格」と書かれた合格発表だった。恐らく、エッセイは形だけで、金さえ払えば、誰でも合格できるようなシステムになっていたのだと思う。何故なら、渡米した後で、英語の出来をテストする試験があるが、まるでできない人も来ていた。

ということは、恐らく全員受かるのかもしれない。私は、英語が得意だったから、エッセイも良く書けた。英語ができる人に絞ってDMが送られてくるわけがない。留学に関するDMを送れば、英語が好き、英語が得意、短期留学経験者が反応することが分かっているから、滅多に英語が苦手な人が応募してくることはないと踏んでいるはずだ。だが、実際問題、何名かはいる。しかし、「金は持っているから払う、では、合格」という人はいるはずだ。

 アメリカの大学は、商売根性がしっかりある。お金になる事だったら、何でも協力する。都市部にある大学などは、不動産を所有して、テナントとして貸すなどをして、運営資金を調達したりもしている。

 NCAAの第一ディビジョンのチームに属している大学は、大学スポーツの試合の際に、外部からの観客がチケット購入して試合を見に来る。試合を見に来たら、ベンダーでビールやホットドッグを購入する。またユニフォームなどのグッズも販売して、物販から利益を得る。すべてにおいてビジネスマインド満載なのがアメリカの大学だ。この辺りは、日本の教育現場も見習うべきだろう。

 日本では、高校野球に人が沢山入る。もしかしたら、高校サッカーも入るかもしれない。そういう場で、もっと商業的な利益を得て、更に学生スポーツを盛り上げるべきなのだ。「学生たちでお金を儲けるなんてとんでもない」というのであれば、学費を無償化にしなさい。

 はれてDCの大学に合格した私は、2ヶ月後に渡米が決まった。この時点で、全く英語が話せない。それにも拘わらず、不安よりも期待の方が上まり、何も心配していなかった。

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