見出し画像

ペンシルバニア

ビール営業を始めた私のテリトリーは、北東部全般。

最北は、メイン州で、最南端はバージニア州、最西端はミネソタ州、このカバーエリアのビール問屋を回っていくのが主な仕事だった。

基本的に問屋に知らせずにメーカーだけで酒販店に営業に行くと問屋からクレームが来るため、毎回問屋の営業部長に同行営業のアポを取って、営業マンと一緒に酒販店を隔月の日課だった。

 ペンシルバニア州のビールライセンスに関しては、複数のタイプが存在し、それぞれ異なる要件と制限がある。

主要なライセンスの一つに「ディストリビューター(D)ライセンス」があり、これはビールの卸売業者向けのライセンスで、主にケース単位または特定の大きさの容器でビールを販売する。

ビールの販売は店舗外持ち帰り用に限定されており、営業時間は月曜日午前2時から土曜日の深夜まで連続で営業できるが、日曜日は休業となる。

「イーティングプレイス(E)ライセンス」は、食事を提供する店舗が取得できるライセンスで、ビールやその他の醸造飲料を販売することができる。

このライセンスを持つ店舗は、定期的に食事を提供し、最低でも300平方フィートの広さと30席以上の座席が必要。

ビールは持ち帰り用に192液量オンス(約5.7リットル)まで販売可能。

これらのライセンスは、カウンティごとの配分に制限されており、新規のライセンス取得は困難な場合がある。

そのため、既存のライセンスを他の事業者から買い取るか、転送することが一般的な手段となっている。

禁酒法の影響から、ペンシルバニア州ではアルコールの販売に関する規制が厳しく、特にビールの販売には細かいルールが設けられている。

例えば、ビールは特定の容器サイズで販売される必要があり、一回の購入量も制限されている。

最近の動向では、日曜日の販売を許可する「サンデーセールス(SS)パーミット」を取得する店舗も増えており、これにより日曜日でもアルコールの販売が可能となっている​。

ペンシルバニア州のビールディストリビューター(Dライセンス)では、ビールを少なくともケース単位(24本以上)または各容器が7オンス(約200ミリリットル)以上でなければ販売できない。

シングルビールの容器の場合、最低でも24オンス(約700ミリリットル)以上のサイズであることが必要。

ビールの購入量に関して、ペンシルバニア州では、レストランやバー(Rライセンス)が一度に持ち帰り用に販売できるビールの最大量は192オンス(約5.7リットル)までとされている。

これにより、持ち帰り用として一度に購入できるのは、おおよそ六パックのビール二つ分までということになる。

2016年の法改正により、ディストリビューターが六パックやシングルビールを販売することが可能になった。

これにより、消費者は以前よりも柔軟にビールを購入できるようになっている。

また、スーパーやガソリンスタンドに併設された店舗でも、適切なライセンスを取得することでビールの販売が可能となった​。

どこの州へ行ってもペンシルバニア州程、ビールが売りにくかった州はない。

ペンシルバニア州の酒類販売規制は、禁酒法(プロヒビション)の影響を強く受けた歴史的背景に由来する。

1920年から1933年までの禁酒法時代、酒類の製造、販売、輸送が全国的に禁止された。

禁酒法が廃止された後、ペンシルバニア州では、州政府が酒類の販売を厳しく管理する体制を整えた。

この背景には、アルコールの乱用と犯罪活動の抑制、そして州の財政収入の確保という意図があった。

州知事ギフォード・ピンチョットのリーダーシップの下、ペンシルバニア州は酒類販売を州の独占事業とし、ペンシルバニア酒類統制委員会(PLCB)を設立した。

この委員会は、酒類の販売を州営の店舗でのみ行うことを義務付け、民間企業が酒類販売に参入することを制限した。

このような厳格な規制により、州は酒類販売から得られる収益を州の福祉プログラムや教育資金に充てることができた​​。

しかし、これらの規制は消費者にとって非常に不便であり、他州に比べて厳しいと感じられてきた。

例えば、ビールの販売に関しては、長らく一度に購入できる量が制限されており、ケース単位でしか購入できなかった。

これにより、消費者は多くの場合、大量のビールを購入する必要があった。

また、日曜日の販売についても厳しい制限があり、特別な許可がない限り、日曜日にビールを購入することは難しかった​​。

近年、こうした規制は徐々に緩和されてきており、2016年にはスーパーやガソリンスタンドでもビールやワインの販売が許可されるようになった。

また、特定の条件を満たせば、日曜日にもアルコールを販売することができるようになった。

それでも、ペンシルバニア州のアルコール規制は依然として厳格であり、多くの人々にとっては依然として不便さを感じさせる要因となっている。

いいなと思ったら応援しよう!