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Xジャパンのカバーバンド

 軽音楽部では、毎年文化祭でバンドの演奏を行う。その年は、日本のアーチストをいくつかカバーすることにした。軽音楽部には、女性のメンバーもいたので、女性ボーカルのアーチストとしてプリンセスプリセスとリンドバーグをやり、軽音楽部ではないギターとベースのメンバーと一緒に、Xジャパンをカバー、吉川晃司やジギーなんかもカバーした。

 全てを一つのバンドでメンバーを交代しながら披露した。ドラムは私しかいないので、私だけそのままドラムを続行し、ベースやギターやボーカルが都度交代する形をとった。やはり、この交代が素人感満載なのが高校生バンドだ。

 色々なアーチストが混ざっているも、私の中ではメインはXジャパンだった。なんといっても難しく、当日にちゃんと叩けるのかも心配だった。毎回スタジオ練習では、その速さ故にへとへとに疲れるし、スティックをもつ指も痛くて固まってしまう程だった。

 Xジャパンをカバーするメンバーは、元々XジャパンをカバーできていたベースのOと、ビジュアルバンドのギターのメンバーと同じ中学出身であり、同じクラスメートのTがギター一人目、もう一人は陸上部でラウドネスのカバーバンドのギタリストにお願いをした。ボーカルは、サッカー部でカラオケの上手いKに頼んだ。

 選んだ曲は、速い曲を中心に選んだ。正確には覚えていないのだが、Blue Blood、オルガズム、X、Stab Me in the Backなどと一緒にWeekend、Sadistic Desire、Jokerなどもカバーしたと思う。すべて古い曲だ。

 他のカバー曲と違って、Xジャパンのカバーに関しては、部分的な練習を何度も行った。ギターソロの直前からソロが終わるまでとか、サビだけとか、速い曲の方がごまかしはきくものの、ずれていたら、それはそれで寒くなるのも嫌だったので、徹底的に練習を重ねた記憶がある。

 文化祭の当日、小さい第二体育館でバンドのお披露目をした。当時の一つ上の先輩たちは、メタリカやスレイヤーのカバーバンドをやっていて、そのメタル仲間が他校から見に来ていた。丁度、私達がXジャパンのカバーをやっている最中に、後ろ側の入り口からライブを観察していたようだ。それで、この速さのドラムができるならと、私を彼のメタルバンドへスカウトしてくれた。こういうスカウト繋がりで、色々なバンドでドラムを叩くことが出来た。そういう意味では、ドラムを選んだことで、色々な道が開けた時代でもあった。

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