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逃走犯の逮捕劇
ボルチモアからバージニアに向かう途中、DCとメリーランド州の境目にあるトンネルでの出来事だ。
トンネル内は二方向に分かれる出口があり、そこからパトカーが何台も逆走してきた。
全車線を封鎖し、トンネル内の全ての車を閉じ込める。
パトカーから降りた警官たちは銃を構え、緊迫感が高まる中、誰に向けられているのか分からない銃口に全員が怯えた。
その時、私の数台後ろから一台の車が警官隊に向かってゆっくりと動き出す。
急発進する前に警官が車に飛びつき、運転席のドアを開け、女性警官が容疑者を引きずり出そうとするが、抵抗される。
もう一人の男性警官が反対側のドアを開けて車内に突入し、女性警官側へ容疑者を押し出す。
車はゆっくり進みながら、容疑者は女性警官に取り押さえられた。
容疑者は観念し、抵抗せずに従う。
だが、警官隊は容赦なく容疑者を抑え込み、後ろ手に拘束し、市民の車のボンネットに叩きつける。
ボンネットは凹み、前の車は揺れる。
その光景を見て、笑いを堪えようとするが、ますます込み上げてくる。
最終的に容疑者はパトカーに乗せられ、逮捕劇は終了。驚くべきクライムシーンだった。
映画で見るようなシーンが現実で起きることを実感した瞬間だった。