文化祭の演劇
私の所属するA組は、短編の演劇を披露することになった。
それも既存の題目ではなく、今から創作する台本の物語を演じることになった。アイデアがあったわけではないが、台本は私が書くことになった。
出来上がったストーリーはないものの、何かを書き始めれば、そこからアイデアは膨らんでいくだろうと思い、学園物を書き始めた。
台本を書くときに、小学4年の時に入った「お話づくりクラブ」の悪夢を思い出した。
最終的には、親切な上級生に囲まれて楽しかったのだが、話の骨格を作る上で主導権は握れなかった。
当時、自分が担当したのは、色塗りに近い。ストーリーに関しては、ノータッチだった。
今回の台本は、よくある学園物を準えただけだが、要所にコメディ要素を追加した。
これがウケた。
私が小中学校の頃は、「ハリセン」で頭を叩くようなお笑い番組が多かった。
「ドリフ」や「ひょうきん族」、「とんねるず」に亘って、ボケてははたいてというリズムの良さが笑いを誘った。
台本の中で注力したのは、30秒以内にコメディ要素を含めてリズミカルに笑いを誘うことだった。
中学の時点で、お笑いのイロハなど誰も知らない。
ただ、テンポがよく、間延びしなければ、退屈を防げると思っていた。
話の内容に無理があるのはどうでもよく、リズムだけに集中した。
在校生徒も良くウケてくれたが、教諭陣も爆笑してくれた。
演出の後で、色々な先生から、台本の素質を誉められた。
今までやったことがない分野に、力を発揮できる原石があるといういい例だったのだと思う。
それ以来、「書き物」から離れている。
このように執筆するのは、実に30年以上ぶりになる。