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ESLの1年
話を少し遡り、ESLの話をしよう。ESLは、英語ネイティブではない外国人の学生が、大学の正規のクラスを受講できるくらいのレベルまで英語絵欲を引き上げてくれる、英語が第二言語となっている学生のための英語コースの事を指す。留学生は、英語が話せていたとしても、受けなければいけない。クラス分けで上のクラスに入り修了すれば、すぐに正規のクラスを受講し始めることが出来る。
ESLの内容は、各大学によって異なると思うが、読解、文法、論述に分かれているのが一般的。CUAでは、これに発音のクラスがあったのはユニークだと思った。発音記号が出てくるのかと思ったが、発音記号は出てこなかった。ひたすら講師が正しい発音の仕方を教えてくれる。地味だが、為になったと思っている。
留学生の中で浪人をしてみっちり受験英語をやってきた学生でも、ESLの論文のクラスだけは、他の生徒達と同じ知識レベルだと思う。英作文ができるという意味では、抜きんでているかもしれないが、論文のクラスは、英作文を教えるわけではない。構図とルールを教えてくれるクラスだ。
読解は、アメリカ文学の一つを教科書として使い、指定された範囲を毎日予習して授業に臨む。授業内で教科書を読むことはせず、あくまでも全員が読んできているという前提でクラスは始まる。
クラスが始まると、先生が読んできた内容に関する質問を次から次へと投げかけてくる。それを生徒が回答していくという流れである。日本人の学生は、もちろん一番発言が消極的である。非常に積極的なのは、中東の人だった。積極的に答えるというのは、正解を答えるという意味ではない。結論から言うと、間違っていることの方が多い。しかし、応えようとする積極性が高いのだ。
概ねアジア人は消極的だった。GWUの夏学期で受講した時は、かなり多国籍だった。アジアに偏らず、中東やアフリカ、ポルトガルの人まで多岐にわたったが、CUAは、アジア人で占められていたと記憶している。つまり、全員消極的なのだ。
面白いもので、消極的な人だけで集まると、そのうちの2割の人は、積極的に変わるのである。これは、働きアリの法則と同じだったと思う。働きアリの集団は、2割が良く働き7割が可もなく不可もなく働く、1割がサボるアリで構成されている。サボりの1割を切り捨てると、新たなサボり1割が新たに形成されるというのだ。
これは、人間界にも同じことが言える。外資系でできない1割を入れ替えたとしても、既存のメンバーが次の1割に落ちていく可能性があるということ。逆にできないレッテルを貼られた1割で10割を構成すると、その中で2:7:1の法則が形成され、サボっていた人が積極的に変わるということだ。まさにそれが、CUAのESLで起こっていたと言える。