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寮生活を学ぶ
留学をしなかったら、一生寮生活を経験しなかっただろう。日本でも全寮制の高校はあるが、そういう学校に行くのは、ごく限られた人数でしかないだろう。
大学に入学した時に分かったことだが、1年生になると、その大学の目と鼻の先に住んでいる人を除き、寮生活をしなければならなくなる。生徒は全国から集まる。
私の大学はDCなので、ニューヨーク州、ニュージャージー州、ペンシルバニア州、デラウェア州からは多く来ていた。それ以外にも、シカゴのあるイリノイ州やデトロイトのあるミシガン州などから来る人もいた。一番遠くて、ニューメキシコ州から来ている人もいた。
合同合宿では、寮生活に必要なことは指導されないが、経験させられる。共同トイレと共同シャワー、カフェテリアで合同で食事をとり、部屋ではルームメイトと共同生活をする。
多くの人種や国籍を受け入れているアメリカだからこそ、こういう生活スタイルが普通に受け入れられていると思う。日本では、プライバシーを重んじる文化もあるし、まだ偏見を多く持っている国民でもある。
これだけ様々な背景を持つ人種を受け入れているアメリカですら、偏見や差別は普通にある。ただ、その偏見や差別主義を持つグループは、寧ろ少数派である。「違う」ということが「当たり前」として考えられる文化は、移民で成り立つアメリカならではの文化であり、そういう考え方を持ってこなかった日本人は、留学で「学位」を得るのではなく「インクルージョン」という「考え方」そのものを持ち帰るべきだと、今では思える。
トイレが共同というのは、さすがの日本人でも問題なく受け入れられると思う。ショッピングモールのトイレと何ら変わらないからだ。唯一違うとすれば、トイレの壁やドアは、日本のように完全に閉じられておらず、足元部分は開いている。これは、治安上の理由だ。
シャワールームは、壁のないシャワーなのかと懸念をしたが、シャワールームは、一つ一つ個室になっている。脱衣所とシャワールームに仕切りがある場合もあるし、脱衣所がなくシャワールームだけの場合もある。
大浴場の文化がある日本では、共同シャワーなど違和感はないと思う。寧ろ、アメリカ人にとって大浴場に裸で入ることの方が、抵抗があると言えるだろう。アメリカにも温泉はあると言えばあるが、水着を着て入る。公共の場で、裸になることは法に触れてしまうのだ。