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ハドソン川の奇跡
ハドソン川の奇跡は、2009年1月15日に起きたUSエアウェイズ1549便の不時着水事故を指す。
この事故は、キャプテンチェスリー・サレンバーガー(通称「サリー」)が操縦するエアバスA320が、ニューヨークのラガーディア空港を離陸直後に鳥の群れと衝突し、両方のエンジンを失ったことから始まる。
離陸直後、高度約2800フィート(約850メートル)で、エンジンにカナダガンが吸い込まれたため、両エンジンが停止。
サリー機長は、管制官に即座に「バードストライク」と報告し、ニューヨーク市内の主要空港(ラガーディア空港やテターボロ空港)に引き返すことを試みたが、高度が低く、時間が限られていたため、それらの空港に戻るのは不可能と判断した。
その代わりに、ハドソン川への不時着を決断。
約3分後、機体はハドソン川に成功裏に着水。全155名の乗客と乗員が無事に救助された。
この見事な不時着は、冷静かつ迅速な判断によるもので、サリー機長の操縦技術と経験が高く評価された。
不時着後、乗客たちは迅速に救命ボートに移り、近くのフェリーや救助船によって救助された。
全員が無事だったことから、この出来事は「ハドソン川の奇跡」として知られるようになった。
この事故を受けて、航空業界では鳥との衝突(バードストライク)対策が再評価され、安全対策の強化が図られた。
また、サリー機長はその英雄的行動により、国際的な称賛を受け、多くのメディアで取り上げられた。
この出来事は、2016年にクリント・イーストウッド監督、トム・ハンクス主演の映画「ハドソン川の奇跡」としても描かれ、広く知られるようになった。
この事故が起きた時、ちょうどトラックでニュージャージーのお客さんの所へ頼まれた食品をトラックを運転して配達する途中で遭遇した。
私は、先輩の社員の方にお手伝いをお願いして一緒にトラックに乗ってもらい、お米かビールかどちらかを忘れたが、パレット単位の配達物を配達している最中だった。
たまたまハドソン川にそって走るルートを通りお店まで運転した。
すると恐らくマンハッタンにある全てのパトカーと思われるほどの大量のパトカーが川沿いに停まっていた。
川の上には何もなかった。
パトカーがあるだけである。
川の上に何もなかったことから、先輩社員と普通に通り過ぎたのだったが、これがハドソン川の奇跡の題材となった事故の現場だったのだ。
ハドソン川の奇跡で不時着したUSエアウェイズ1549便の機体は、事故後すぐに回収された。
不時着後、機体はハドソン川に浮いていたが、すぐに回収作業が開始された。
船舶を使って機体はマンハッタンのバッテリーパークシティ付近に運ばれ、そこで固定された。
その後、機体はクレーンで陸揚げされ、詳細な調査が行われた後、最終的にノースカロライナ州シャーロットの博物館に展示されることになった。
アメリカでは、実に17年という長い年月を過ごした。
37歳の時に帰国をしたので、凡そ当時の半生はアメリカにいたことになる。
渡米前の19歳の時まで、ニュースで取り上げられるような事件や事故に遭遇しなかったのはラッキーではあるが、アメリカでは17年の間に映画さながらの出来事がいくつかあった。
一つは、ハドソン川の奇跡、もう一つは911のテロ、もう一つは逃走犯の逮捕劇である。