【イベントレポート】ROI 200%超えの自社カンファレンスを来月開催する方法とは?
はじめに
株式会社Sales Markerでは、2023年5月、2024年1月、2024年9月と3回の自社カンファレンスを行ってきました。
それぞれ200%超えの高いROIを達成しただけでなく、毎回規模を大きくして成果を上げています。
どうしてグロース本部が自社カンファレンスを行っているのか?
どのようにして短い期間で開催したのか?
自社カンファレンス開催の背景にあったものとは?
など、弊社がこれまで行ってきたカンファレンスについてのノウハウをお伝えします!
自社カンファレンスに興味があるがどうしたらいいか分からない、カンファレンスをやっているがうまくいかないのでポイントを知りたいという方、必見の記事となっております。
ぜひご覧ください!
登壇者経歴
南原 隆之介
京都大学大学院を修了後、環境・国際協力事業に特化したコンサルティング企業に入社。その後、チャイルドケア・テック領域のスタートアップであるユニファ株式会社に入社し、BtoBマーケティングの立ち上げに従事。コロナ禍を機にリードジェネレーションの主軸施策として、ウェビナー施策を立ち上げ、2年間でリード数4倍を実現し事業に貢献。2022年よりフリーランスのマーケティングコンサルタントとして複数社のマーケティング戦略立案・施策実施に携わったのち、2023年10月Sales Markerに正社員として参画。マーケティングに基づいたイベントの企画・実行を得意とする。
藤井 恭
新卒で株式会社キーエンスに入社し、CE職・営業職として活躍。在籍4年のうち、2期連続で最優秀賞を受賞。より幅広く活躍できる環境を求め、事業開発担当としてIdein株式会社にて組織・事業開発全般を牽引。その後、COO荻原の誘いにより株式会社Sales Markerに創業初期より参画し、営業・マーケティング組織の立ち上げに貢献。現在は事業の最速・最大拡大および組織維持を目的としたグロース本部の部長を務める。会社の成長とともに、”グロース”という組織概念を世の中に浸透させることに尽力中。
歴代の自社カンファレンス
弊社は、成長に合わせて大きな自社カンファレンスイベントを自社内で運営してきました。
それも、最初の1回目は「来月カンファレンスをやる予定で場所を取ったものの、中身が全く決まっていない状態」からでした。
弊社では3度のカンファレンスを経て、それぞれ200%超えの高いROIを達成しました!
もし皆さんが「来月自社カンファレンス開催しよう!」という話に急遽なったとしても、これを見ていただければ必ず実現できるようにしたいと思っています。
まず、何より大事なこととは何でしょうか。
まず、何より大事なこととは何でしょうか?
もし、「来月カンファレンスを開催して」と言われたら、まずはカンファレンスで達成したいことなどの前に「失敗したくない」という感情に陥るのではないでしょうか。
結論から言うと、イベントというものには失敗する部分が沢山あります。
ただ一つ言えるのが、「失敗しないようにしよう」と思ってその意識で動き出した瞬間、あなたはもう失敗しています。
カンファレンスを成功させるためには、「目的を明確にすること」を確実に会社全体で握ってから動き出すこと、これが何よりも大事になります。
連携せずに進めてしまうと、部署ごと、人ごとにそれぞれカンファレンスの目的が変わってきます。
気が付いたら話がかみ合わなくなっている、という場面が起きてしまうんです。
その齟齬を避けるためには、まず「全員で目的を把握すること」、これをやらないと、イベントはうまくいきません。
押さえるべき三つのポイント
それでは、具体的にカンファレンス成功のために押さえるべき「3つのポイント」についてお伝えしていきます。
1つ目は「握ったROIを達成すること」
2つ目は「イベントの顧客体験」
3つ目は「9割は人に任せること」です。
これらについて、深掘りしながら確認したいと思います。
①握ったROIを達成すること
先ほど「イベントというものには失敗する要素が沢山ある」とお伝えしました。
特にROIの部分で失敗してしまうと、どんなに頑張っていても失敗とみなされるリスクが大きいでしょう。
理由としては、3ヶ月後や半年後、1年後に振り返りをしたとき、イベントは「目的を達成したかどうか」という点で評価されます。
たとえ来月やることになったとしても、ここまではやりますというポイントを絶対押さえましょう。
こちらが実際に弊社が使っているイベント企画書です。
弊社の場合は、イベント開催から数カ月以内の成約数をKPIとしています。そこで必要になるROI目標を明確にします。
次にその目標を達成するために何をすべきなのか考えてから、経営陣への連携を行います。
経営層は時間がないので、短時間で要点だけしっかり伝える、そしてその伝える内容がいかに彼らにとっても腹落ちできる内容か、というところが非常に重要です。そのために必要な要素をブラッシュアップしていった結果、このようなフォーマットになりました。
今回の成功とは何なのかという合意を取るために、、この紙一枚に情報がまとまっていることが重要です。
また、以下がグロース本部内で使っている意思決定依頼フォーマットです。
グロース本部では、短期間で意思決定をしてもらうための伝え方として、このフォーマットの流れの中で情報整理して、一気に確認をするというやり方をしています。
意思決定する側は、数少ない情報だけで物事を判断します。
そこでつまづいて全然違う、聞いている意図と違う答えを貰ってきてしまったり、その場で判断が貰えなかったりするとイベントの進行が滞ってしまいます。
今集中してほしいことだけをテキストベースでしっかりと伝え、履歴も残す。
これにより、判断いただいた後で「そういう意味ではなかった」となってしまうことを防ぐことができます。
この考えはイベントでなくても、非常に有用なので、ぜひ使っていただけたらと思っています。
②イベントの顧客体験
我々は、お客様を感動させるためにイベントを行っています、具体的には感謝を伝えてくださいということは、社内に対して説明をする際に必ず説明していました。
どういうふうに顧客体験を作っていくかというところで、すごくミソな部分が、社内のグロースパーソン、いわゆるキーマンには何回も刷り込みしてジブンゴト化してもらう必要があります。
そのために、Sales Makerでは1時間、全力で全社向けの社内説明をしております。
高い目標であるROIに注力をしていると、せっかく来ていただいたお客様の顧客体験になかなか目が向かなくなるという落とし穴があります。
例えば、現地でしっかりお客様とお話できるようにしましょう、あわよくばサービスの話もご相談させていただきましょうという説明をしたりすると、セールスの方ばっかり頭がいってしまうんですよね。
そうではなく、ちゃんとお客様の未来の実現を重視しましょうねというコミュニケーションをとっていました。
一方で残念ながら、全員に運営と同じレベルで自分事にしてくれることを求めるのは無理な話です。
ポイントとしては、その中で誰には自分に近いレベルで理解をして欲しいのか(運営視点を持って欲しいのか)という目星をつけつつ、かつそうでない方も含めて、自分はどう動けばいいのかというのを考えさせることです。
③9割は人に任せること
「当日あなたは動けません」
企画者の皆様は、当日は順調に進んでるかどうかの判断だけをやるので、残りの仕事はもういろんな人に任せるしかないです。
1人で300名のお客様を相手にすることはできません。
現場の9割は見えないまま、自分の知らないところで知らないことが起こっていて、それを後から聞かされることになります。
この9割をどう運営側が意図するやり方で対処してくださるかっていうところが、成功の何よりのポイントになるでしょう。
そのために、企画段階からあえて人に任せるというところも大事です。
現場で当日動いてお客様に接してもらう人に、自主的に目的を持って、納得して動いてもらう。
主催者で手綱を握りつつ、彼らに作ってもらう視点だけはずらさない、というやり方が重要です。
そのためには、先ほど言ったようにキーマン、つまりグロースパーソンを見抜くという工程があります。
それからミッション・業務負荷・個人の趣向など、この人はこういうことに向いてるな、ということも捉えた上でアサインしないといけません。
プラス、カンファレンスなどは、もちろん毎日やっているわけではありません。
基本的に皆様からすると、プラスアルファ業務です。そうなったときに、これをやる大義名分を与えてあげるというのも非常に重要です。
そうでないと、なかなか自分の中で優先度も上がらないし、部内的にも推進を声を張ってできません。
また、何事もそうですが、こちらから「ああしてくれ」「こうしてくれ」と言っても人は動きません。
「あなたには受付でお客様に感動を与えてほしいです、よろしくお願いします」と役割と裁量を与えて、後はコミュニケーションの中で手綱を引っ張っていく、というやり方が結局全体としてはまとまって動くんですよね。
上記資料にも成功のエッセンスがあるので、少し見ていただきたいと思います。
スケジュールを見せて終わるケースは結構あると思うのですが、私達は、運営リーダー陣の皆さんはこう動いてください、この時間はこのように使ってください、セールスの皆さんはこの時間はこういう風に使ってくださいというイメージを、事細かに刷り込むようにしました。
全社的にやるだけでなく、営業メンバー向け、サポートチーム向け、リーダー向けなど、ここは工数を惜しまずに何度も説明会を開いています。
また、ゲストおよび登壇者との顔と名前を一致させて皆さんでお迎えできる体制を作る点も非常に意識しました。
スライドにゲスト情報をまとめ、さらに印刷して各メンバーに配り、各メンバーが迷わずにご案内できるようにしています。
これが、おそらくカンファレンスを開催していく中で一番変わった部分、大切さに気づいた部分です。
もしこれから初回のカンファレンスをやられる方は、初回からやっていただけるとそわそわせずに済むと思います。
グロース本部にイベントチームが移動した背景
最後に、私達が導き出した解決策として、今のような動きを起こしていったイベントチームの変遷と位置づけを説明したいと思います。
我々イベントチームは2020年1月まで、マーケティング本部の中のイベントユニットという形で活動をしていました。
5月頃にグロース本部に入り、そして9月にグロース本部として初めてイベントを実施しています。
そもそもグロース本部とは何なのかというところをお話させていただきます。
組織図で言うと上記で、要は現場横断的に動けるような部署です。
各本部がいろいろとKPIを必死で追いかけている中で、その間に落ち込むような課題だったり、もしくは横断で動かなければならない課題を推進するような部署になっています。
そのうちの一つにイベント施策があるという理由で移管を行いました。
日頃からできるだけ様々な部署の人間と接している人間、幅広く何となく「キーマンはあの人だよね」といったところに目を付けていて、それを想定しながら動く役割がいると、非常にイベント施策がスムーズにいきます。
マーケティング本部にいるとき、普段関わる部署に制限を感じていました。
もちろん枠を超えて、自分でコミュニケーション取っていくのも大切なのですが、グロース本部に移行することで、日々の業務の中で結構関わる分野が自動的に広がりました。
グロース本部を設置すると、必然的に巻き込みがどんどん増えてきます。
そして、何か巻き込めば巻き込むほど自分事から社内事という視点になり、物事を動かすことが増えてくるでしょう。
社内メンバーをどんどん巻き込んで、カンファレンスを実現させましょう!
グロース本部についての記事はこちら