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ゲームレビュー #4 Grand Theft Auto Ⅴ/PS3・PS4・Xbox360・Xbox One・PC

#4 Grand Theft Auto Ⅴ/PS3・PS4・Xbox360・Xbox One・PC
プレイ環境:PS4(純正コントローラー)

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“オープンワールド型クライムアクションゲーム”。
要するにどこにでも好きなところへ自由に行って自由に悪いことしようぜ!というゲームの金字塔であるグラセフシリーズの2021年現在のナンバリング最新作。
個人的には今作が『GTA』シリーズ初体験。

なお今回はPS4ダウンロード版でプレイしているが、会話が飛んだりするバグがわりと頻発し、ゲームが中断されアプリケーション再起動という重篤なものもクリアまでに4回起きている
一応アップデートはされているはずなのだけど…まめにセーブはした方がいいかも。

※※以下の内容には本編に関するネタバレが多分に含まれるのでご注意ください。※※



・キャラクター

マイケル、フランクリン、トレバーの3人を切り替え操作しながらストーリーを進行していくが、“同時刻に違う場所で何かをしている自分以外の誰か”に切り替わるというのは面白い。
例えば1人の主人公が命懸けでミッションをこなした直後にキャラを切り替えると他の主人公は浜辺でタバコ吸ってたりする。
キャラごとに能力が違い、銃撃や運転などそれぞれ得手不得手があるが、これらは操作していくことでパラメーターを上げることができる。


・一通りプレイしての率直な感想 

GTAというゲームに何を期待するかで評価が変わるなと感じたのが正直なところ。

例えばマイケルは人格的な問題はあれど、つまるところは「家族と穏やかに暮したい」と思っている。要はギャングスタ―になりたいわけではない
その上でストーリー進行上で起こるミッションは「警察や金持ちの依頼を受けて強盗や殺人をする」というものがほとんどなので、何と言うかやらされてる被害者感が強い
もちろんなぜそんな状況になっているのか、元はと言えばマイケルが過去に起こしたことが原因なのだけど、その発端の出来事はチュートリアルで終わって印象が薄いのに、ストーリー的には最後までそれを引きずる。
要するに自分は個人的に「自由度が売りのゲームなんだからこの街のヒエラルキーの頂点に立つこともできる」みたいなことを正直思っていたが、マイケルはそういうキャラクターではないということ。

では他のキャラクターはどうか?
フランクリンはマイケルやトレバー、レスターらと関わったために地域のギャングという枠には収まらない
ミッションも暗殺から友達の手伝いのまともな仕事、パパラッチの真似事まで、のし上がりたいというわりにはそれに必要なことかわからないことまで何でもやるので、どちらかと言えばどんな依頼でも受け、報酬を得る何でも屋と言った立場に見える。

トレバーは一応世界規模の武器・麻薬の商売人になるという野望があるけど、その事業拡大のための動きは登場直後ぐらいしか見られず、
マイケルとの再会後はわりとその場のノリと勢いでの金儲けに走る傾向がある。

とにかく一人一人キャラクターの個性は強く愛着も持てるのだけど、個性が強い故にプレイヤーがやりたいことをやると違和感が出てくる
そこらを歩く一般人を新しく買ったメリケンサックで突然ブチ殴りたい!とプレイヤーが思えば実行は可能だが、マイケルやフランクリンがそんなことするか?みたいな。
そう思い出すと一番初歩的かつ必要な犯罪である“移動手段の車を強奪する”ということすら、イベント時以外はマイケルがやるのは不自然に思えてくる。


・ストーリー

先にも書いたが、メインのストーリーとミッションは、生粋のアウトローとして生きるというより、必要に迫られてミッションインポッシブルな犯罪をしている場面が多く、プレイしていて若干ストレスが溜まる。
ストーリー最後のフランクリンの選択がそのカタルシスにもなり得るが、
面倒ごとを押し付けてくる悪党を全員ブチ殺して解決できるなら最初からそうしたらよくね?と思わずにはいられない。
とは言え、罵り合いばかりでまったく協調性がないと思わせて、時には抜群のコンビネーションを見せるトリオの関係性は面白いし、何よりも“うまくいかない人生”に愚痴りながらも抗い続けるストーリーは中々に深い。
欲を言えばマルチエンディングはもっと分岐が欲しいかなと思った。それこそ3人でギャングスタ―になる道とかもあっても良さそうなものだが。


・マップと操作性

兎にも角にもマップが広い。
行き止まりという概念がないのか?と錯覚するほど広い。
ロスサントスという市街だけでも相当に広いのに、そこからさらに違う町や海・山まで移動できるので行動範囲は果てしない。
あまりにも広すぎて移動がだるい。プレイ時間の大半がその移動に費やされる。
ミッションを起こすために特定の場所に向かうだけならばタクシーを使えば大幅に移動時間を短縮できるが、特定の車両を自分が操作する場面も多く、車に乗る時間が嵩むのは避けられない。
また乗り物全般の操作性が悪く、選んだ車両やキャラクターの運転スキルによってはツルッツルにタイヤが滑ってドリフトしまくり事故起こしまくり通行人轢きまくりと大惨事になる
イベント発生中はさらにシビアになり、PS4のコントローラーで言うと
“R2ボタンで加速、L2ボタンで減速、L3スティックで方向を微妙に車両を操作しながら、L1ボタンで銃を構え、R3スティックで狙いを定め、R1ボタンで発砲する。”
という操作を一度に要求される。
忘れちゃいけないのがセリフは字幕なのですべての操作はそれを読みながら、である。
車を乗りこなすのはガンダムに乗るより難しい。

イベントで操作することになる飛行機やヘリなどの航空機全般はさらに操作の難易度が上がり、スティックのわずかな傾きで機体は大きく揺れ、あっという間に墜落する。
このシビア過ぎる操作にはファック!と叫びながらコントローラーを壁に投げたくなるが、このゲームには“ミッションに3回失敗するとスキップできるようになる”という救済措置があるので、あまりにも詰まるようならスキップしてもいいだろう。
ただし操作中に聞けるキャラクター同士の会話などもスキップされてしまうので、100%楽しみたいならスキップはしない方が良い。

また乗り物に乗っていないときのキャラクターの操作性はさほど問題を感じないが、×ボタン連打でダッシュしていると、ダッシュ中にかかって来た電話を×ボタンで即キャンセルしてしまうという不具合が起こる。
折り返しかけても繋がらないので地味にイラつく。
そんな時は通行人を殴ろう。


・武器

武器は豊富に用意されており、効率重視で使い分けるもよし。こだわりの武器で戦い抜くもよしとこちらも選択の幅は広い。
ただしエイム操作が難しいというか照準がとにかく付けづらく、“照準アシスト(フル)”の機能を使わないと難易度は跳ね上がる。

残念な点として、メリケンサックやハンマーなどの近接武器は見た目にも面白いのに、イベントではわざわざ使ってる暇はなく(仮に接近戦になっても銃持ったまま殴った方が早い)、
かと言って自由行動時に遊びで一般人を殺すとあっと言う間に警察が来るので気軽に振り回すことはできない。
たとえギャングのような向こうから絡んでくる悪党を返り討ちにしても通報されてしまう。
また非武装時の体術もワンパターンなパンチとキックの繰り返しなのも残念。
街のオブジェクトが豊富にあるのだから、それらを利用した攻撃方法があってもいいと思うのだが。電話ボックスに叩き付けたり、ベンチで殴ったりしたいよね。


・CEROレーティング

PS4版はPC版などと比べてかなり表現がマイルドになっており、拷問・パンツを脱ぐ・局部のイラストなどのセンシティブな表現がごそっとカットされている。
また死体に対して追撃を加えることは可能だが、燃えるか血だまりが出来る以上の人体破損の描写は無し。
どれだけ車に轢かれようが手斧で切られようが絶対に千切れたりしない。
レーディングは『Z』だが、その割にはずいぶんとぬるいと言った印象は否めない。
百歩譲って死体蹴りのゴア描写はともかく、シナリオ上必要な性的表現などを不自然に編集するのはちょっとげんなり。
何のための18歳以上の証明やクレカ決済なのか。


・まとめ

よく言われる“自由度の高さ”というものをどれだけ実感できるかは、キャラクターのロールプレイに徹するか、個性を無視してプレイヤーがやりたいことをやるかで評価は割れそう。

実際“このゲームでやれること”は羅列しきれないほど果てしなく多く、遊び尽くすということに関しては膨大な時間を要するだろう。
ハマれば末永く遊べる一本。
またキャラクターについて色々書いたが、他のレビュー等見てるとやはりマイケルという存在がこれまでのGTAシリーズの中でも異色とのことなので、他の作品もいずれプレイしてみたいと思う。




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