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一枚の自分史:人生の最終章の書き出しはニューヨークより愛を込めて~マンハッタンのアパートで

2015年10月25日~11月2日
65歳の秋

その頃、岸見一郎さんの「嫌われる勇気」でちょっとしたアドラー心理学がブームになっていました。
だからというわけではありませんが、折しも、京都のお寺でディープな心理学を学び、一方で魔法の質問というコーチングを学んでいました。
その師匠のマツダミヒロさんが、ニューヨークの国連本部のナショナルスクールで日本語を学ぶ学生たちへマイストーリー絵本を作る授業をする。
そのアシスタントを募集していたので応募しました。

ニューヨークは、東京や大阪とは比べ物にならない巨大都市でした。
お気に入りのビルの前で着物で、その後に起こるハプニングも知らずにご機嫌で写って
います。
隣には白人女性が写っていますが、ここでは和服でいようが裸でいようが、誰も他人には無関心のようでした。

この日は、3時からのフォリートリニティ教会でのうしじまひろみさんとニューヨークの楽団の指揮者のレオナさんのトークショー、夕方からは現地日本人の方々とのパーティの予定でした。そのための和装でもあったのです。

旅は予想通りには行きません。午前中の目的は自由の女神像でしたが、人が多過ぎてフェリーには乗れませんでした。
そして、思わぬハプニングが起きてしまいます。

歩いているうちに、草履の底がぱっくりと外れてしまい、歩くたびにパクンパクンします。ここでは修理することも代替品もありません。応急処置として、足と草履をガムテープでぐるぐる巻きにしましたが、それはもう、歩き辛くて…。
それでも、マンハッタンを地下鉄とタクシーを乗り継いで、それでも歩く!
和草履は、歩くためにはできていない!くたくたでした。

パーティがはねても、仲間たちは2次会に繰り出しました。
私はもう限界!終了後、一人で地下鉄を乗り継いでアパートに帰りました。

私たちは6人で、短期滞在型アパートを6泊で借りていました。旅費を抑えるために格安のアパート、場所はダウンタウンに隣接するアッパータウン。

ダウンタウンに出る満月を見ながら、不安でパツンパツンになりながら、壊れた草履で足を引きずりながらアパートに到着。

ところが玄関扉の鍵が重すぎて開かない。通りがかりの黒人さんが見かねて、声をかけてくれて無事開錠。

その後も、足の長さに合わない階段を和服で5階まで上がって、部屋の鍵を開けようとするけれど・・・。どうにもこうにも開いてくれない。
怖い人が出てきたらとドキドキしながらも意を決して、隣の部屋のドアを叩いてSOSを告げる。恰幅のいい黒人女性が怖ーい顔をして出てきて、何だそんなこともできないのかとたぶん言っている。英語が分からなくてよかった。
拍子抜けするほど、簡単に開いて、大いに呆れられたよう。それでも嬉しくて、彼女に飛びついてハグしていた。また、呆れて笑われた。

この旅では、優しく係わってくれたのは、この辺りに住む黒人さんたち。

毎朝、朝起きの苦手なシエア仲間のために朝食を買いに行く私に「ENJOY!」と声をかけてくれました。

住めば都でした。すぐ近くにセントラルパークがあり、リスがかわいい姿を見せてくれました。

ニューヨークで一人行動できる自分に大いに満足していて、変にアドレナリンがドバっと出ている毎日でした。

何だか、人生はうまくいく!ノープログレム!

行く前には3つの壁がありました。
資金の壁・・・行くと決めたら、多くも少なくもないぴったりの金額で数か月分の仕事が決まりました。おかげで、老後の資金を切り崩さずに済みました。
語学力の壁・・・一人でケネディ空港までたどり着けるのか?一人でホテル暮らしができる語学力はない。それも、一緒に行動してくれる若い友人たち、シエア仲間のおかげで解消!実際に学生たちとのイベントでも授業でも、学生たちと一番おしゃべりしていたのは私だったらしい。しかも大阪弁でね!
メンタルの壁・・・これも仲間のおかげで何とかなった。全ては杞憂に終わった。

65歳、こんなにも面白い経験をすることができていた。
70代にはいって人生の新しい章が、また始まっている。

人生の最終章にもどんなドキドキを上回るワクワク感が待っているんだろう!
それは、楽しみでならない

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