一枚の自分史:母と娘の涸沢の山旅2009
もうすぐ娘が嫁いで行く。それまでに
「おかあさんと想い出に残る旅がしたいね」
という娘。
母娘別れ旅は、娘がまだ小学生だった頃に奥穂高岳に登ったときにテントで露営した涸沢まで行こうということになりました。
折しも、涸沢では山と渓谷社の主宰で「からさわフェスティバル2009」をやっていて山好きな人が集まってにぎわう山での楽しい旅となりました。
エベレストに初めて登頂した女性、田部井淳子さんがご主人とご一緒に来ておられて、娘や若い人たちの中に気軽に入って来られて、小屋のテラスの隣の席でお茶をいただいたことなどのサプライズもありました。
思い出に残ることは、数々あるのですが・・・。
横尾を過ぎて徳沢園に着く頃、日ごろの運動不足がたたって足が重くて思うように前に進みません。どんどん若い人たちに追い抜かれて行きます。
今回は小屋泊まりにして、荷物は軽量化しているのに…。
久しぶりの山歩き、本格的な登りにかかると荷物が重く肩に食い込みます。
ただひたすらに足を進めているうち、記憶にある小さなあの子の前を歩く足元を見ていました。テント泊だったのでザックに寝袋を入れて、上に荷物を高く重ねているので頭が隠れて見えない。ザックをピョンピョンと揺らしながら登っていく我が子の姿が目の前にありました。
石に躓きそうになって、ハッと我に返ると・・・。
あの日、あの子の足元を見守った私と同じように私の足元を気遣って、一歩一歩、歩調を合わせてくれている気配が後ろにありました。
ようやく涸沢小屋に到着。懐かしい奥穂、北穂の姿や彩とりどりのテントの群れを眺めながら、あの夏盛りに雪渓ではしゃいでいた姿を思い出しながらビールで祝杯!
星空は騒々しいほど・・・
次に来るときは、孫っこたちも一緒だったらいいなと話しながら、すし詰めの小屋の喧騒の中で久しぶりにくっついて眠りにつきました。
この時のサプライズ!ヤマケイJOYという登山誌のグラビアに私と娘も写っています。これもいい思い出です。
この世は愛を育てる愛の学校です。絶賛実習中です!
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