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のりっきいの自分史:リミットに挑戦~ファイアーワーク

二〇一三年の七月、六十四歳のとき、イリノイ州のシカゴで、アンソニーロビンソンが開催する UPW のワークショップがあるという事で、ジェリーを誘ってそのワークショプに行った。
日本ではアベノミクスが始動して相場が1ドル103円代に、アメリカでは元 CIA のエドワードスノーデンがアメリカの情報収集活動を暴露した年でした。

五月にアメリカに一旦帰り、無知な私達は、離婚の手続きを自分達でしょうし、又、二人の名義の持ち家を売る段取りやらで忙しくしていた頃でした。 アンソニー・ロビンンスが開催しているワークショップの一つである”UPW”のワークショップの謳い文句が「自分の中に秘められたパワーを表に出す」いうもので、その一つとして赤く燃えた炭の上を歩くというイベントだった。

参加する気になったのは、そのワークショップで私もジェリーも、自分の内にあるものが、一つ乗り越えられるような気がしたんだと思う。
この数日間、 四千人以上の人が世界中からワークショップに参加していたけれど、 最終日のファイアーウォークには、 数日前からこの日始まるまで参加者はすでに高揚状態にあった。
午後の3時頃から数時間に及ぶメディテーション(催眠状態を作る)は、私から見れば 動から静に参加者を導いていくという一種のヒプノセラピーの感があった。

西の空に太陽が沈みかけるころ、五百台以上車が置けるパーキングには沢山の真っ赤に燃える五メートルほど、炭の道が何十本も作られていて、そこを一人ずつ「濡れた苔」とつぶやきながら、前方を見据えて歩くことが自分の中に隠された力を解き放つ比喩的な体験だったのだと思う。
面白いことに、火の上を歩いているときは足の裏に熱さを感じず、ただ炭が燃えるにおいと道の向こうに渡りきった人たちを迎える人達の歓声が暗闇の中であちこちと響き渡ったことだけを憶えている。

その時、これまでに気づかなかった自分の中の可能性をより強く感じ、渡りきった時にチームのリーダーの人からハグされて「You Did It!」と 笑顔で言われた時の感激は今でも私の中に残っている。
そのとき確かに、 私にはできないことはないんだと感じたものだ。 そしてそれは今だ褪せることなく持続している感覚がある。

新しいことを経験する時に、この経験は『私はできるんだ』という自信を私の中に根付かせてくれたと信じている。 火を渡ることが自分の何かに共振したんだろうか。 ある種のエネルギーが変わった。そのことがステートに入ることができるきっかけとなったようだ。

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