常温のカクテル
9月に入ったというのに、ちっとも涼しくなりませんね。
それどころか、むしろ不快指数は増している気がします。
夏バテしてませんか??
春先から真夏にかけて、おすすめのカクテルも、
「ミントジュレップ」や「フローズン・桃・マルガリータ」など、
氷をふんだんに使った物が続いたので、
実は胃の方も少々お疲れ気味。
ここらで一息、落ち着いた秋向きの一杯をおすすめしたいところなのですが・・。
◆
先日、とある事情で、ちょっと大きめのワイングラスを取り寄せることになった。
(口部強化のボルドータイプで、そんなに良いものではありません(汗 )
当初の目的にそぐわなかったので、不採用にするところだったのだが、物は試しとそのグラスで、甘めのシェリーを、室温そのままの状態で飲んでみた。
美味しい(笑。
底の方に数ミリ垂らしただけなのだが、香りが立ち昇ってきて、味が引き立つ。
やっぱりお酒って、こうして飲むものだと再認識した。
(最近では、ワインに限らず日本酒や焼酎でも、こうした大きめのワイングラスを片手に、うっとりしているシーンを目にしますよね(笑。)
これって、もちろん大振りのグラスの形状もあるのだろうが、
やはり「常温亅で飲んだというところが大きかったように思う。
◆
ところで、
元来「お酒」というものは、「常温」で飲まれてきた。
やれ近年では、冷やして飲んだり、氷を入れて飲んだり、シェイクをしたり、はたまたフローズンにしたり、「冷たくして」飲むのが当たり前になってきている。
だが、もともとお酒というものは、そんなことのできない時代に生まれたものだし、むしろ常温で保存できるからこそ重宝されてきたはずだ。
よく、「このお酒、どうやって飲めばいいんですか??」なんて聞かれますが、
お酒にそのまま飲んでおかしいものは、この世にひとつもありません。
(「スピリタス」など一部を除く(笑 )
ちょっと現代人は、「冷やす」ことに慣れすぎてしまっているのではなかろうか。
そんなわけで、この機会に、お酒単体だけでなく、それらを混ぜたカクテルについても、「常温」での提供を出来ないかを再考してみた。
差し詰め下記の5種類。
再考にあたり心掛けたのは、
・全体を60ml、アルコール度数を25〜35度程度とする
・どこの BAR でもほぼ置いてある(置いてあって欲しい)一般的な材料を用いる
・副材料としての果汁類、シロップ類は一切使わない
・フレッシュフルーツ、ガーニッシュなどによるデコレーションは行わない
こと。
ぶっちゃけ
「どこの BAR でも飲めるし、どこの BAR でも作れるもの」
です(笑。
お客側からすると、もし気に入られたら、ほぼどこでも頼めると思うし、
お店側からすると、もし経験が浅くとも、技術がなくても作れると思う。
そして、なにより、このカクテルの大前提は、
「基本的なベースにウイスキーやスピリッツ等を使っているが、あくまで副材料としてのリキュール、甘味果実酒類の「甘み」を楽しんでもらうもの」
である。
実のところ筆者
「チョコレートやレーズンバターなどのつまみは、冷たい飲み物との相性が悪い」
と思っている。
冷たい飲み物は、これらの最大の楽しみ「甘み」を閉じ込めてしまう。
「ハイボールとチョコレート」の組み合わせになると、ほとんど絶望的だ(笑。
やはり、これらを本当に楽しむなら、お酒は「常温」に限る。
そんな訳で、いかがでしょう。
疲れた体に「常温のカクテル」。
No.1 から、ひとつづつリリースしています。
中秋の名月に、どうぞお試しあれ。
神保町にお越しの際は、是非お立ち寄りください。
レシピは小1時間で考えました(笑。改訂したら随時更新します。
お待ちしております。
Tsukiyo (Daydream Dub) / Calm
Music Conception
2023
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)