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不動産屋でござい。

前回の投稿でも書いた「アペロール スプリッツ」を正式メニューにしました。

少しアレンジを加えているので、名称を「ニュー スプリッツァー」としています。

ゴクゴク飲みたい時などにピッタリだと思います。

どうぞ以後お見知り置きを。


ところで、


こういった、新しいメニューを加えるときは、


当然の事だが、いろいろと場所の取り合いになる。

・新しいお酒
・その副材料
・専用グラス

限られたスペースの中での鬩ぎ合い。


東京の、千代田区の、この棚の、この一角にを置くのか。


もはや、不動産屋になったような気分である(笑。


そして、何よりも、メニューブックに載せる「位置」が最も頭を悩ます。


以前もお話ししたが、うちのような、BAR 本来の対話でオーダーを決めていくスタイルをとっていない店にとって、メニューブックは重要な役割を果たす。


かれこれ23年間、改良に改良を重ね、(それゆえ、差し替えやすいよう、事務的なファイルになっています。味気なくて申し訳ない(涙 )

もういい加減、新しいメニューの付け入る隙はないぞ、と思っているのだが・・。

定期的に訪れる、「あ、これやってみたい!!」という欲望。


結局、どこかにスペースはないかと、血眼になって探す羽目になる。


お客さんの年齢層も上がってきているので(笑、もうこれ以上、字のフォントは下げられない。(実際、僕にも老眼鏡なしでは見えません(謝 )


行間と余白を詰めて、もうそれこそミリ単位で「寄せて上げて」の世界(笑。


それでも駄目なら、いっそ何かを「諦める」。


でも、そんな試行錯誤が、今まで見過ごしてきた古いものを捨てたり、思いもよらぬ新しいスペースを生んだりしてきたのも事実だ。


  ◆


以前、働いていた BAR で、新しく新人君が入ってくると、マスターがよく

「さて、今度の子は算数ができますかねえ・・。」

とつぶやくことがあった。

「へ?数字に強いってことですか??」

と聞くと、

「なんでそんな必要があんだよ!パズルだよ、パズル!!」

と答えが返ってきたことがある。


そのときはよく意味が分からなかったが、今にしてみると至極納得できる。


  ◆


これは、何も飲み屋に限ったことではなく、実店舗を構える店、いやネット販売だろうが何だろうが、「物を売る」商売にとっては切実な問題だろう。


物をどこに置くか。


これで充分結果が変わる。


さて、


そんな思考が転じて、


ここ数年、世の中の90%の問題は、「何をどこに置くか」で解決するのではないかと思えてきている。


物事には、やはり適正な「位置」があって、それを外すと大抵問題が起こる。


僕の場合、店での、いやプライベートでの失敗も、これに起因することが多い。

・ちゃんとしっかり置かなかったから割れたグラス
・手に取りにくい奥の方に置いたから売れないお酒
・置いたままの本のせいで入ってこない新しい情報


「場所もまた金なり」だ。


いつでも、常に、自分が自分の不動産屋になって、


物事の「配置」を考えたいところだ。


なかなか使える思考だと思うので、


どうぞ以後お見知り置きを(笑。


神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。

物も人も同じなんですよねえ。

お待ちしております。


RealEstate / Philanthrope
Chillhop Music
2017

(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)

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