チョコブラウニーはコンクリートのように
「自家製チョコブラウニー」というメニューがある。
珈琲が主体となっている現在は、「おやつ」感覚でよく出る。
このメニュー、もともと「自家製チョコレート」というメニューを「持ち帰りたい」というお客さんの要望から生まれた。
うちの「自家製チョコレート」は、チョコレートと称してはいるが、実際のところはエスプレッソにカカオ、砕いたビスケットなどを締め固めたもので、とても崩れやすい。店内でも「お早めにどうぞ。」などと声掛けをしているくらいなのに、「持ち帰り」なんてとんでもない。すぐに溶け出してしまう。
そんな訳で、「おみやげ」として持ち帰り用に開発したのが、焼き菓子の「自家製チョコブラウニー」である。(もちろん店内でもお召し上がりになれます。)
ところで、この「自家製チョコブラウニー」の開発で、最も重要視したのが、その「重さ」である。
ブラウニーに一家言ある方ならお分かりになるかと思うが、やっぱりブラウニーの重要な要素のひとつに、「ズッシリ感」というのがあると思う。
そこで、開発にあたって、まずやったのが、焼く前のブラウニーの「粘度」。建築現場などでコンクリートを打つときに「スランプ試験」というのが行われる。固まる前のコンクリートの流動性、まあ簡単にいえば、どのくらいドロドロか、どのくらいサラサラか、を調べる試験だ。あまりにドロドロではコンクリートが隅まで行き渡らないし、あまりにサラサラではコンクリートが乾燥して水分が抜けたときに密度の低い弱いコンクリートになってしまう。
それをブラウニーにも持ち込んで、最適な「粘度」を探し出した。
(まあ、これはどなたでもやることだと思う。)
次に、やったのはそのコンクリート(じゃなかったブラウニー)を流し込む「型枠」の工夫。通常の製菓用の型枠だと、膨らんだときに体積が上に広がってしまい、中身がスカスカになる恐れがある。かといって蓋のついた食パン用の型枠では大きすぎる。
そこで、普通の製菓用の型枠の上からアルミホイルを2枚がさねして周りを針金で縛ることにした。鉄板や陶器などで蓋をするより火の通りも良く、膨張も防げて、いわゆる「ち密」なコンクリート(じゃなかったブラウニー)が打設(笑 できる。
そんな感じで、試行錯誤を繰り返して、ようやくいまの「自家製チョコブラウニー」になっています。
(一時は、焦げたレンガのような黒い物体が、山のように積み上げられていました(笑。)
いかがでしょうか。うちの「自家製チョコブラウニー」。
粗骨材に「ドライいちじく」も入れています(笑。
冷やして食べると美味しいので、冷凍保存しています。
ちょっと固いくらいを、ガブッと食べるのがお勧めです。
珈琲はもちろんですが、赤ワインなどにも良く合います。
お酒の提供が再開されたら、どうぞお試しください。
神保町へお越しの際は、是非お立ち寄りください。
尚、ブラウニーのみの販売は行っておりません。あくまで「おみやげ」です。
お待ちしております。
Lucid Dreams / Elior
Lofi Records
2021
(本文の最後に、お店でよくかける音楽を紹介しています。お家でお酒を飲まれる際に是非どうぞ。今度お店に聴きに来てくださいね。)
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