赤い公園の「pray」の歌詞を読んでみる。
大好きな曲なので、赤い公園の「pray」の歌詞を読んで気になるワード、文を拾って自分なりに解釈してみました。
歌ってみたや演奏してみた、合唱部や吹奏楽部なんかで演奏するのに参考になれば嬉しいです。
個人的には合唱バージョン聴いてみたいな。
”逆毛の街に”
もう最初の出だしから”逆毛の街”って何だよ?って。
何かの引用かな?とか思ったりしたけど、「逆毛」を検索すると
ヘアスタイルばかりが出てきます。
そう、髪の毛ですね。
ここで、米咲さんが、
湿度が高いと髪がはねて決まらないから雨は嫌い、
というようなことを言ってるのを思い出しました。
”もうすぐ花が咲くだろう”
とそのあとに出てきます。
季節は春で花が咲く前の春の嵐のような時季を表してるように思います。
米咲さんは自身の髪の毛と風が吹いて街を見渡しても髪が暴れてたりはねてたりする人が多い様を”逆毛の街”と表現してると解釈しています。
ブルーレイの"THE LAST LIVE「THE PARK」"の副音声で歌川、藤本両氏が
”3年前くらいにデモが届いた”と語っています。
つまり2018年のころ、理子さんが加入するかしないか?位か、それ以前に書かれた曲であることが推察されます。
バンドとしては逆風が吹いている時期であったはずです。
だから”逆”という言葉を使っていると考えます。
そして、天気です。空の色は曇り色です。
これはあとで効いてきます。
”風が吹く”
"逆毛の街"の状態に何か新しい風が入ってきた事を示唆してるようにもとれます。花が咲く事をもたらす暖かい風。強引かもしれませんが。理子さんの加入の事かもしれませんね。
風向きが変わったという言い方も出来ますね。
"ひと撫でしたなら"
時間の経過とともにひと手間加えるイメージ。
”逆毛”を”ひと撫で”して元に戻そうとする行為。
朝に寝癖を直そうとするような感じ。そんなイメージから、
もうひと踏ん張りしたら、というようなニュアンスで解釈。
このフレーズが冒頭の”逆毛”のイメージと連動していてこのフレーズがないと”逆毛”が浮いてしまいますね。
”もうすぐ花が咲くだろう”
ということは、暖かくなる、穏やかになる、から
もう少しで何か形になって前進できる状態になることを示唆してます。
”それでも行くのかい 傷を負ってまで ちいさな胸が躍る方へ”
自身への問いかけです。”それでも行くのかい?”
そして、サビです。
”It's honesty,君が好き”
突然にストレートな表現が出てきてフックになっています。
”君が好き”の背景に流れる大きな肯定感、博愛感がこの曲のフックだと思ってます。
前段の問いかけの、答えになっています。
前に進む理由です。
それが純粋に”君が好き”だからです。
さぁ、”君”って誰でしょう?
当時のバンドの状況から、津野米咲=赤い公園、であると解釈も出来ます。
そして、聴いてくれるみんな、仲間たち、とも取れます。
”君が好き”の博愛感を考えれば全部でしょう。
"君"をバンド(仲間)、音楽、聴いてくれるみんなと解釈すると米咲さんのバンド活動や音楽、聴いてくれるみんなに対する愛情とも取れ、どれも米咲さんにとってきっと大事なものばかりです。だから自然な感情として"君が好き"というフレーズが出てきてるようにも思えます。
”ちょっと黒いくらいの青い空”
ここで出だしに出てくる”逆毛の街”の空の色と対比した”ちょっと黒いくらいの青い空”が出てきます。青い空の向こうに宇宙が見えるくらいに澄んだ空、と解釈出来ます。対比することで非常に澄み渡った感じを強調してますね。
正直に、心がときめく方に進んでいくこと、の純粋さのイメージと澄み渡った青い空が似合うような未来であって欲しい、という願い。
"I pray for you. それじゃ、またね!”
と続きます。
”またね”のあとにあえて!をつけてみました。
そう、インスタライブのエンディングです。
また会おうねって約束します。
聴いてくれるみんなのことも仲間たちもバンドのことも未来が良くなりますようにって願いながら。
音楽が、赤い公園が、みんなが好きだから前に進むよ、だからまた会おうねって。
”君”の使い方が英語の”You”の使い方に近い感じですね。
”君の旅が どうか美しくありますように”
みんな、仲間、バンド(赤い公園)、の未来がいいものでありますように。
と結んでます。
”集めた星屑 喜んでくれるかな くるくる回した万華鏡”
これまでの解釈を踏まえて意訳的に解釈すると、
出来た新曲、喜んでくれるだろうか。
新曲を聴きながら。
星屑の詰まった万華鏡を回しながら喜んで欲しいな、って。
バンドの新体制は喜んでもらえるか?不安がありつつも
喜んで欲しい、と願っている。
こう解釈すると、”オレンジ/pray"が、ドラマ「時をかけるバンド」
に提供されたこともあり、納得感があります。
”オレンジ”がバンドの感情なんかをうたってる歌で、この曲もバンドの感情を表現した歌でもあるんですね。
と、長々と書きましたが、この曲の肝は新しい事やワクワクするような事にチャレンジしていく人や、今は良くなくても未来に向かって頑張る人へのエール、応援歌の様になっている事ですね。
”それでも行くのかい 傷を負ってまで
小さな胸が踊る方へ”
そしてサビの"君が好き"。
前へ進む人の背中を押す様な大きな肯定感。
未来への期待と不安が入り混じりつつも、ワクワクする感情と良い未来になりますようにと願う姿が美しく文学的に表現されている様に思います。米咲さん自身の体験を基に美しく描かれた応援歌のように感じました。
2022.4追記
この曲の、優しくありますように、って”オレンジ”の、優しい世界を交換こ、と同じ、優しい、と読めます。
米咲さんがバンドとファンの関係や仲間たちとの関係を、優しい世界、と感じてたことが窺える一節ですね。
2022.7.追記2
”君”の解釈について補足
"君"は、自身の中にある夢や目標、
ときめき(ときめきが導いてくれるから、絶対零度の歌詞)
と読むと良いと思う。