どこかで聞いた小話といつか聴いた名曲|極私的プレイリスト
♪トン、テトシャン、テテントチトシャン…(出囃子「薩摩さ」)
えー、毎度ばかばかしいお話をお聞きいただくワケですが、今日もナーンにも役に立たないタワゴトでですね、みなさんのお暇つぶしになればいいなー、なんて思って家を出てきました。
ですからみなさん、ここでは一切の期待とか、将来への展望とか、そいったものはお財布の中へでもしまっておいてですね、お楽〜に時を過ごすという、あのー明鏡止水ってんですか?そんなお心持ちでお聞き願えれば嬉しいなー、なんて。
(客席:いいから早よやれー)
えー、トマトの国で強盗事件が起こりまして、犯人トマトが逃亡中でして。
トマト警察に追い詰められた犯人はトマト畑に逃げ込んだんですな。
刑事トマトは部下に命令します。
「よし、この畑から逃がすんじゃないぞ、囲め!」
それを聞いた犯人トマト、思わず叫びました。
「出るもんテ!」
♪ "Everybody's Talkin'" by Harry Nilsson(1971)
(客席:シーン…)
ゴホン…
えー、隣のおばぁちゃん、毎日バスに乗って病院へ通ってるんですが、バスに乗るたびに運転手さんにひと袋のピーナツをあげてたんです。
運転手さんは喜んでいただいてたんですが、あまり毎日なんで申し訳なく思っていました。
「おばぁちゃん、いつもありがとうございます。もう十分ですんで、明日からはご自分で召し上がってくださいよ」
するとおばぁちゃん、
「いいんですよ、あたしゃもう歯が無くって、周りのチョコを舐めるしかないんだから」
♪ "One Way or the Other" by The Fifth Avenue Band(1969)
(客席:シーーン…)
あれ…?
えー、大きな街の真ん中に大きな河が流れてて、大きな橋が架かっています。
橋の中ほどでひとりの男が河の流れを眺めている。
そこへ別の紳士が通りかかると、男はなにやらブツブツ呟いてます。
紳士が近づくと、男は「57、57、57…」と数字を唱え続けてるんです。
不思議に思った紳士が男に訊ねます。
「あの、あなたはなにをなさっているんですか?」
やおら男は紳士の胸ぐらを掴むと、えいやっと河へ投げ込んじゃった。
ドボーン。
男はまた元のように橋の欄干にもたれて唱えはじめます。
「58、58、58…」
♪ "Son of a Preacher Man" by Dusty Springfield(1969)
(客席:シーーーン…)
むむむ…
えー、算数の授業です。
先生「ルーシー、あなたはリンゴを10個持っています。そこで先生があなたにリンゴを2個ちょうだいと言いました。そしたらあなたのリンゴはいくつになる?」
ルーシー「10個ですけど」
♪ "Nobody's Fool" by Dan Penn(1973)
(客席:ざわ…ざわ…)
くっそー…
えー、夏休み明けの学校で、
太郎くん「先生、何もやってないのに怒られることってありますか?」
先生「先生はな、何もやってない子を怒るような理不尽な人間じゃないぞ」
太郎くん「よかったー、ボク宿題何もやってません」
♪ "New Kid in Town" by Eagles(1976)
(客席:深いため息)
ぐぐっ…
えー、先日友だちが入院しまして、お見舞いに行ったんですよ。
そしたら真っ青い顔で必死に荷物をまとめてるんですね。
「おいおい、まだこれから手術なのにどうするつもりだい?」って尋ねたら、
「さっき看護師さんが言ってたんだ。『簡単な手術だから大丈夫ですよ!きっとうまくいきますから』ってな!」
「じゃあ大丈夫じゃないか、何を心配してるんだ?」ってなだめますと、
「オレにじゃない!看護師さんは主治医に言ってたんだ!」
♪ "Keep Yourself Alive" by Queen(1973)
(客席:大あくびの音)
ぐすん…
えー、別の友だち夫婦がアラブの国へ旅行へ行った時の話。
ホテルでかの国の王族の方に声をかけられたそうです。
「あなたの奥様はたいへんお美しい」
奥さんが喜んで照れていると、王族の方が真剣な表情で言います。
「ぜひ奥様を私の第8夫人に迎えたい。代わりにご主人にラクダ100頭を贈ります。いかがですか?」
旦那はぐっと考え込んで、ついに返事をしました。
「いや、それは無理です。お受けできません」
王族の方が残念そうに立ち去ったあと、奥さんが旦那に尋ねます。
「はっきり断ってくれてよかったわ。でもずいぶん考えてたのね」
「ど〜うしても100頭のラクダを連れて帰る方法が思いつかなくてさぁ…」
♪ "Big Yellow Taxi" by Joni Mitchell(1970)
(客席:複数のイビキの音)
えーん…
えー、奥さんが旦那さんに尋ねました。
「ねぇ、わたしってあなたの理想通りの妻かしら」
旦那は微笑みながら答えます。
「いやいや、理想より遥かに上だよ」
「まぁ!どのくらい?」
「30kgは上だね」
♪ "I'll Be Good To You" by The Brothers Johnson(1976)
(客席:ルッキズムじゃないか!)
い、いやそんなつもりでは…
えー、お医者さんが言いました。
「奥さん、あなたのご主人は日ごろ強いストレスを受け続けているようです。ご主人の心身が休まるように、強力な睡眠薬をお出しします」
「まぁ可哀想なダーリン。それで先生、お薬はいつ飲ませればいいですか?」
「奥さん、薬を飲むのはあなたです」
♪ "Heart Of Glass" by Blondie(1978)
(客席:酷いジェンダー・バイアスだ!)
ち、違いますってば…
えー、神様がこの世をお作りになったとき、それぞれ特徴をつけていろんな国に分けたそうですな。
神「ここには温暖な気候と、豊かな果実と、新鮮な海の幸と、風光明媚な地形を置こう。ここをイタリアと名付ける」
天使「主よ、それではイタリアばかりが恵まれすぎています」
神「心配するな、ここにはイタリア人も置いておくから」
♪ "Beautiful Boy (Darling Boy)" by John Lennon(1980)
(客席:Ti darò un pugno![訳:ぶん殴るぞ!])
ポカポカポカ!
あたたた…なんだよ今日の客は…
もうヤメだヤメだ高座なんか!
(またやるかもしれません)
♪テテン、テトシャンチントテシャン…
top image : CDD20, Thank you for letting me borrow your wonderful work.
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