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新しくてヴィンテージなソウル|極私的プレイリスト
穴子くん:見てみて、こないだネット・オークションで落としたヴィンテージ・ジーンズだよ。
私:何それ、ボロボロじゃん。
穴:歴史が醸し出す味、と言ってほしいな。
アリゾナ州の廃坑跡から見つかった正真正銘のヴィンテージだぜ。
ベルリンのコレクターと競り合ってようやく落札できたんだよ。
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私:そういうの相当お高いんでしょ?
穴:今のレート換算で 円くらい。
私:絶句。って声に出して言っちゃうよ。
もう一言言わせてください。
バカじゃないの?
穴:ムフフ…褒め言葉にしか聞こえない。
やっぱリアル・マッコイなヴィンテージものは、それっぽく作られた模倣品とは違うからね。
私:マニアは見境がなくて怖いよー。
穴:キミだって古いレコードとか見境なく買ってるじゃん。
私:そ、それはそうなんだけど、私はファースト・プレス盤とかマトリクス番号とかにこだわってるワケじゃないもん!
それにソウルが感じられれば最近の曲だって好きだもん!
♪ "Mulholland Drive" by October London(2023)
アルバム・タイトルも「The Rebirth of Marvin」としたほどにMarvin Gayeさんへの憧憬が全開。
まるで「I Want You」の世界を現代に甦らせたようなメロウさ。
でもサウンド・プロダクツはまさしく今、何よりこの切ない声!
♪ "Love's Train" by Silk Sonic(2022)
また出た、いい曲ばっかりのSilk Sonic。
このパフォーマンスでのお揃いのスーツ、シャツのデカ襟、ヤボったくてステキな振り付け、全てが70年代に君臨したヴォーカル・グループへのオマージュ。
しかしAnderson .Paakくん、キミのウィッグはさすがにどうかと思う…
♪ "Love (Your Pain Goes Deep)" by Kelly Finnigan(2024)
ソウル・バンドMonophonicsでもご活躍、Finniganさんの新曲。
スケールの大きな曲調は、現代におけるサザン・ソウルの一つの指針となると言い切ってしまいます。
演奏もアレンジもハイ・レヴェル!
♪ "Keep Dancing" by The Courettes(2024)
60年代ガールズ・グループのムードをたっぷり味わえる一曲。
ブラジル人妻とデンマーク人夫のカップルによる素敵なユニットの新作です。
切なくなるほどノスタルジックなミックスは、伝説のプロデューサーRichard Gottehrerさん!
♪ "Small Change" by Don West(2024)
シドニーのイケメンマッチョ、Don Westさんの新曲もカッコイイ!
テナーとファルセットの歌い分けで迫る、アップビートなノーザン・ダンサーにココロもウキウキ。
それにしてもこの股上の深いズボン(これはズボンと言いたい!)…
♪ "Oontz" by MICHELLE(2024)
NYCを拠点とする6人組のコレクティヴ。
人種もジェンダーも様々な4人の女性がヴォーカルを取るこの曲、80年代のブラック・コンテンポラリーのムードも香らせつつ、そのプロダクトは明らかに次の時代へ視線を向けています。
♪ "The Ocean" by Skinshape(2023)
イギリス人のプロデューサーWill Doreyさんのソウル・プロジェクト。
「Palace」というアート系バンドにいただけあって、ソフト・ロックやサイケ、バレアリックまで通過してきたノスタルジックさが気持ちいい。
私:あれ?
ジーンズのお尻のところ、チューリップのアップリケが。
穴:ああ、ここに穴が空いてたんだよ。
下着が見えると恥ずかしいからって、岡林信康ファンのおばあちゃんに勝手にリペアされちゃって…
私:その強引なエピソードもヴィンテージだねぇ…
(今回、およそ80%ほどが実際にあったことです)
top image : Kranich17, Thank you for letting me borrow your wonderful work.