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親父が聴いてたオルタナティヴなロックとか。

「親父が聴いてた」シリーズ2回目です。

しかし父の”Music”のフォルダ、支離滅裂と言えるほどいろいろ入ってますね。
いわゆるオルタナティヴ・ロックみたいなのも目立ちます。

父:昔は「オルタナティヴ・ロック」ってな言い方はなかったなぁ。

私:じゃあ今で言うオルタナみたいな傾向のものはなんて呼んでたの?

父:え〜?…インディー・ロックとか?アヴァンギャルドとか?ニュー・ウェーヴとか…?

私:なんだか時代を感じさせる呼称だね。

父:まぁ70年代末期のロンドン・パンクの衰退の後は、いろんな方向性の音楽がドーッと出てきて面白かった。
それ以前のアート・ロックとかエクスペリメンタルとかサイケとかのムーヴメントも、遡って聴いてたなぁ。

私:じゃあ、中でもエッジの効いているのを教えてよ。


♪ ”Voodoo Child (Slight Return)” by The Jimi Hendrix Experience

父:このひとのおかげで、ディストーションとリヴァーブが大好きになったな。
言うまでもなく、ギター演奏における天才だよね。


♪ ”Walk on the Wild Side” by Lou Reed

父:これはもう、50年間ずーっと聴き続けてる。
「多様性と自立性と世の中」ってのについての問いかけをし続けているように思う。


♪ ”Because the Night” by Patti Smith group

父:ブルース・スプリングスティーンとの共作だってことを当時聞いて、ちょっと意外だった記憶がある。
NYパンクの女王が歌う切実で強靭なラヴ・ソングが今でも胸に響くよ。


♪ ”New Rose” by The Damned

父:ロンドン・パンクはマルコム・マクラレンの仕掛けに引っぱられてる感じが徐々に鼻についたりしたけど、ダムドは好きだった。
今映像を見ると、みんな可愛いね。


♪ ”Hong Kong Garden” by Siouxsie And The Banshees

父:なんだかずっと好きなんだよねぇこの曲。
パンクスとスキンヘッズの諍いが窺い知れて、興味深い歌詞だし。


♪ ”London Calling” by The Clash

父:かっこいいねぇ。
パンク・バンドの中で一番好きだよ。
今思うと、この曲あたりがパンクの終焉だったように感じる。


♪ ”Sketch for Summer” by The Durutti Column

父:ポスト・パンク期のこのアルバムは印象深かったな。
ニュー・ウェーヴからアンビエントへの、ひねくれたアプローチって感じ?


♪ ”She is Beyond Good and Evil” by The Pop group

父:この時期、ロックの意識がダブやファンクやアフロやフリー・ジャズやワールド・ミュージックへ一気に広がっていったって印象がある。


♪ ”Once in a Lifetime” by Talking Heads

父:というわけでこのころ、アフロ・ポップが注目されてたな。
オレも流行に乗ってリンガラ・ポップとか、ポリリズムにハマってた時期だな。


♪ ”Black Rock” by James Blood Ulmer

父:このつんのめるようなギターが新鮮だった。
オーネット・コールマンを師とするだけあって、リズムの扱い方が一筋縄じゃ行かないよね。


♪ ”夜、暗殺者の夜” by 裸のラリーズ

父:80年代、都内と京都でこの人たちのライヴを何度か体験できたのは、今思うとすごく幸運だった。
どの曲が好きとかじゃなくて、轟音ノイズと深い叙情そのものが好き。

♪ ”黒い悲しみのロマンセ otherwise Fallin’ Love With” by 裸のラリーズ


♪ ”Sado-Masodub” by Einstürzende Neubauten

父:既にインダストリアル/ノイズの巨匠みたいになっちゃったね。
でもブリクサ曰く、「オレらのやってるのはずっとプログレッシヴ・ロックだよ」って(笑)
近年の作品を聴くと、確かにそうかも。


♪ ”Blue Monday” by New Order

父:この曲は結構インパクト強かった。
エレクトロニカへ続く下地を作ったと言ってもいいんじゃないか。


♪ ”The Queen Is Dead” by The Smiths

父:パンクを通過したギター・サウンドのバンドって感じが好き。
ちょっと後のネオ・アコへの道筋も感じる。
ジョニー・マーがカッコいい。


父:このへんにしとこうか。
90年あたりからはメジャー系のロックをほとんど同時代的には聴いてないし。

私:お、「君はロックを聴かない」だね♥️
確かに我々きょうだいが小さかったころには、父ちゃんの車の中ではなんだか訳のわからないフリー・ジャズとか民族音楽とかが流れてた憶えがある。

父:お前らの情操教育には悪影響があったかもなぁ。



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