改修防災屋の記録14
2011年6月
初めての大規模改修に伴う消火栓箱交換工事の話です。
台数は確か40台くらい、1日5〜7台を交換する工事です。
消火栓箱の交換は設備やさんが担当し、僕は消火栓箱に組み込まれている発信機・表示灯・ベル・端子台の交換です。
初めは機器の交換なんて余裕だなんて思ってたんですが、工事開始と共にその甘い気持ちは崩れ落ちました。
機器交換と別に、幹線の全ジョイント切り・復旧がある事が頭に無かったんですね。
当時は貧乏で閉端子も買わなかったのでひたすらリングスリーブで圧着、絶縁テープ巻きつけ。
受信機から遠い最上階から始まり、どんどん下階に降りるに連れてジョイント数は増えていきます。
設備さんに追いつかれつつ必死で工事していたのを覚えています。
この工事では失敗も色々とありました。
受信機の電源を落とし、いざ撤去を始めようとしたら表示灯が点いていました。
消火栓箱の表示灯はポンプ起動時に点滅させなくてはならない為、消火栓始動装置から表示灯の電源を取っているのです。
勿論知識としては知っていましたが、完全に頭に入ってなかったんですね。表示灯が点いている事に気づかず線を切っていたらショートさせてヒューズを飛ばしていたところでした。
結線工事でもミスしました。
機器側はずっと同じ幹線の色を使っていたのでタグ付もせずに色だけを頼りに結線していました。
設備屋さんに追われながら焦っていたのもあるんですが、ロクに確認もせずに既存の配線を切っていました。
もうお気づきかと思いますが、一組だけ既存配線の色が入れ替わっていたのです。
確かLCが入れ替わっていて、断線は消えるんですが電話、応答が来ません。
もう調べている時間はなかったので別日とって調査。当時は何故そうなるのか仮説も立てられないくらい経験値が無かった為、根こそぎ回路チェックしなんとか原因を突き止めました。
この件で学んだ事で今でも心がけているのが以下の事です。
・既存の配線色、アミソ順を信用しない。
・離線する前にタグ付、切り離す前に確認
・タグ付は連続して貼り付けない。
今でも守り続けられるのは、結線ミスによる調査は物凄く時間がかかる事を身を持って体験したからです。
この事を守るようになってから結線ミスは激減し、ミスしそうになっても気がつけるようになりました。