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【日記】僕なりの香水の選び方

このアカウント、なにかの専門家でもない一般人として書き始めたのもあり、そうそう毎日書くべきネタというのも拾えないので、今日は自分語りでしのごうと思います。



日常的に香水を使っている。趣味半分、身だしなみ半分くらいの気持ち。

付けすぎると香害こうがいおじさんになっちゃうのを十分わきまえて(るつもりで)、一番香りがまろやかに感じるウエストに、朝ワンプッシュだけ。ほとんど周りには気づかれていない……と思う。

ちなみに選ぶのはほぼオー・ド・トワレ。左側のウエストに付けている。
身体の右側には肝臓があって、デブなあるじのために懸命に働いているし、利き手があってよく動かすぶん、ここに付けると熱を持って香りが早く散りそうな気がして。

趣味といっても、「いい匂いがするのを楽しむ」ていどのライトなもので、トップノートには○○……ラストノートには■■が……などという、専門家のような語り方はできないし、何種類もコレクションしているわけでもない。

まぁ、僕がひとりで楽しむぶんには別にそれでいいのだけど、新しい香水を試してみたい時に、気になる香水の香りをイメージしやすくなるためにも、ある程度の知識は必要だよなぁ……と、この歳になって思い始めた。

この歳(今年満42歳)まで思わなかったのかよ、とツッコまれるかと思うが、そのとおり、思わなかった。
なぜなら、それまで付けてた香水は、ちょっと街へ行けば(僕は福岡県在住なので、たとえば博多や天神、小倉など)、実物のサンプルを手にとって、自分の鼻で試すことができるものばかりだったからだ。

香りを言語化する必要はない。実際に匂いをかいで「これいいな」と感じたものを買えばいい。実際、そんなふうに選んでいた。

ただ、コロナ禍のこの数年は、人の多いところに出向くのが怖くて、香りを確かめて買うという機会が持てなかった。

それと、どのお店でも、店頭でお試しできる品物は割と似たりよったりで(あんまり敷居の高そうなガチ専門店を見つけられなかったし、そういう店を目指して行こうと思わなかったのもあるけど……)、しかもおおかた、20〜30代の若者向け。

40代になって、ほんとうにその店頭サンプルの中から、自分に一番合った香りを選べるんだろうか……という不安が湧いてきた。

自分に合っている香りとは。

これは年齢性別問わず、香水を付けてる人は、けっこう悩んだことあるんじゃないだろうか。

いろんな本やサイトで、自分に似合う香水の見つけ方を調べてみたけど、だいたいのところ「香りを嗅いで、自分の感覚に合うもの」とか「人に確認してもらう」とか、ボヤ〜ンとした書き方しかされていないように思う。

いやまず嗅げない前提だし。確認してくれる人なんていねぇし。
独身独居中年男性なめんな。

まぁそれでもめげずに色々考えた結果、最近は

(1)香水のサンプルセットを通販で買う
(2)自分の声質・話し方を一つの基準に据えて検討する

という2つのポイントを押さえて、香水選びをするようになった。


(1)

楽天に、各種ブランドの香水から少量ずつアトマイザー(超小型のスプレー容器)に移して、セット売りしてくれているページがちょこちょこある。
お店に行くのが難しいけどいろいろ香水試したい、という、僕みたいな人にうってつけで、すごくありがたかった。

例えば男性なら「メンズ 香水 お試し セット」などのキーワードで、いくつか出てくる。

ブランドごとの代表的な品を試すことも、特定のブランド内のいくつかのラインナップを試すこともできる(2023年9月現在の検索結果から)。

だいたいサンプル3本セットで1,300円〜。1本あたり1.5ml入り。1日ワンプッシュで、5〜6日くらい使える。

アトマイザー1本につき平日1週間、じっくりその香りと向き合うことができる。コロナ禍の自粛ムードで巣ごもり生活していた時、これはなかなか楽しい作業だった。個人的にはコスパも悪くないと思う。


(2)

「その香りがその人に似合う」というのを、どんな基準を立てて判断していくべきか。

顔つきかな、もっと全体の見た目の印象かな、職業かな、社会的地位かな……と色々考えていて、これはあまりハズレでもないだろう、と自分で思い至った基準は、「その人の声質・話し方」だった。

声の高い低い、甘い渋い、話し方が軽い重い、そういう要素と香りを突き合わせて判断すると、わりといいセンいくのではないかと思う。

たとえば男性で、声が高くて軽め、軽快な話し方の人なら、シトラス系や、フゼア・オリエンタル系でも軽やかな香調のもの……
声が低いけど爽やかな印象の話し方なら、アクア系・グリーン系……
男性で、声が低く渋め、落ち着いた語り口の人なら、フゼア・オリエンタル・レザー系の比較的重めの香調……

みたいな(これはあくまで僕の個人的な捉え方です)。

ただ、こんなふうに○○系とか書かれても、実際に嗅いだことがないと、匂いとイメージを突き合わせていくことができないので、やっぱりサンプルなどで○○系とはこういう感じの匂い、というのを、いちど体感しておくほうがいいと思う。

で、肝心の、「自分に合う匂いかどうか」なのだけれど、これはもうね、「自分の声・話し方を録音して聞いてみる」しかない。

いや、わかる。これ、なかなかツラい作業だよね……。
ぜんぜん自分がイメージしてた声・話し方に聞こえなくて、すごい拒絶反応が出るんだよね……。

僕は一時期、You Tubeでの配信や投稿する動画の編集の仕方を勉強したくて、自分の声を録音してずっと聞いていたことがある。

もうね……「うわぁ……俺ってこんな声でこんな喋り方だったのか……」って、絶望して、恥ずかしくて消えてなくなりたい、と思ったものだ。

ただ、その拒絶反応をグッとこらえて聞き続けていると、だんだん客観的に聞けるようになる。これは確かだ。
そしたら、「もっとこういうふうに発音すればいい感じになるかも」とか、自分なりに声の出し方を工夫できるようになる。
数日くらい聞き続けていれば、「この喋ってるやつ、なんか気が合いそう。俺とおんなじこと考えてる」って思えてくるので面白い。
いまでは普通に平気で聞けるようになっている。

大丈夫。あなたの声はすでに周りの社会で受け入れられている。

たぶん、歌手や俳優など芸能界の方々なんかは、こういう訓練はしっかり経ているはずだ。じゃないと人前に出てパフォーマンスするプロになんて絶対なれない。

You Tubeでのあれこれについては、また別の機会に書こうと思う。
持ちネタの投稿は細かく刻んで小出しにしていくに限る。


語るだけ語ったので後はもうどうでもいいんだけど、自分語りとして始めた記事なので、最後に、僕がいま付けている香水について書く。
ここはホントにどうでもいいところなので読み飛ばしていい。

僕の声は、男性としてはやや低めで、話し方は軽快ではないが、重くもない(福岡県民だからか、やや早口かも)。発音にはそれなりに抑揚はある。
「いい声だよ」とか「なんかNHKの定時ニュースみたいな喋り方」とたまに言われるが、あまり信用していない。


……半端……っ! ぜんぜん自分を捉えきれてない……ッ!!!?


むりやり「低くて比較的落ち着いた感じの声」と分類して、今使っているのは、クリスチャン・ディオールの「ソヴァージュ オー・ド・トワレ」だ。

ジョニー・デップがイメージキャラクターになってる。

おそらく「フゼア系」に分類される香りだと思うけど、僕は的確に言語化できない。落ち着いてる男性的なお香によくありそうな香り……?
でも、鼻にツンとくる鋭さのようなものはない。落ち着く香りだ。

ディオールの香水はいくつかサンプルセットで試したけど、どれも、他のブランドより頭ひとつ抜きん出て、なんていうか質量・まろやかさ、存在感のある、いい香りだと思う。

30ml入りだと、1日ワンプッシュで、大体1年くらいもつ感じ。
頑張って毎年お金貯めている。

それと最近、もうすこしフゼア系という香りを勉強したくて、手に入れた香水がある。

ニコライの「ニューヨーク・アンタンス(インテンス) オー・ド・パルファン」。

上のリンクは2022年7月の、外部のショップさんの記事だけど、これを読んで触発されて買った。
楽天で個人輸入扱いで購入できる(といっても、普通にポチるだけ。届くまでに少し日数はかかる)。

ルカ・トゥリンという香水評論の権威がいることも、ぼくはこの記事を読むまで知らなかった。僕はその程度だ。

これまたいい香り。前述の「ソヴァージュ」よりも質感は軽く、「周りの空気を染め上げる感」とでもいうのか、香りの立ちのぼり方が強く感じるが、1日ワンプッシュなら、もともと体臭の少ない日本人でも大丈夫(海外製の香水は、西洋人の体臭が使うことを踏まえて作られている)。

香りの質は本当にクラシックな雰囲気。クラシックすぎて、語弊を覚悟で言うと「完璧な老紳士」。スーツの似合う素敵なおじいちゃん。
30代未満の男性には、なかなかおすすめできない。今の僕でも似合ってるかと言うと、いやぁ、まだまだ若造扱いされるかも……?

ただ、人間、特に男性には、かならずこの香りが必要になる時期がやってくる。そんな感じ。
今後も長く残っていく名香だと思う。


清潔感のある、いい匂いのする中年男性を目指して、今後もいろいろな香りを探してみたい。
あとダイエットも頑張る……。