『N工作』(日米交渉)の右往左往
第二次世界大戦のアメリカの戦争目的は、当初はドイツ打倒だけだった。アメリカ自身の安全保障上の理由から、ドイツのヨーロッパ支配は容認できなかったため。ところがその後、日本がドイツと同盟してしまう。これで、アメリカがドイツを打倒するには、ついでに日本も打倒しなければならなくなった。
しかし、元々アメリカには日本と戦争する必要は無い。また、アメリカの戦争準備が遅れているため、最低でも日本との戦争は先送りしたかった。だからアメリカは、それが成功する見込みはほとんど皆無と思いながらも、一応、日米交渉を行った。
それに対して日本は、ドイツと同盟することにより、アメリカとの戦争は回避した上で、大東亜共栄圏建設を成し遂げたい意思だった。アメリカに対しては、その意思や事情は一切考慮せず、一方的に日本の要求を受諾させようという方針で臨んだ。それが、日本にとっての『N工作』(日米交渉の日本側の呼称)だった。
つまり日本は、当初からアメリカの意思を読み誤っていた。そして、ドイツがソ連との戦争を始めるなど、事は日本の思惑通りには進まなかった。その上に幾つもの事情が重なり、『N工作』は、ものすごく複雑な紆余曲折となっていく。
この記事は、その複雑なものを、要点をかいつまんで、なるべく簡潔に説明してみようというもの。それでも、非常に長く複雑になるし、大して重要な話でもないし、読んで楽しい話でもない。なので、書いた当人が言うのも何だが、読むのはお薦めしない。上記の事柄だけ把握していれば十分だと思う。
また、テーマがテーマなので、右や左の方々に目を付けられにくいよう、念のため有料にした。わざわざお金出して読む人も少なかろうと。
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