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出来の悪い冷酷労務から血の通った人間になりつつある話


こんにちは!
iCAREの人事労務担当、佐川と申します。
新卒から労働集約性の高い業界の中小企業で新卒から3年半弱1人バックオフィスとして働いてから、人事労務向けの健康管理システム「Carely」を提供しているiCAREに入社しました。
入社して早4か月、人事労務としての考え方がアップデートされ始めてきたので、今回はその話をしていきたいと思います。
今月はTERAKOYAのアドベントカレンダーに参加しております!

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1. 法律さえ守っていればそれでいいと思っていた。


 以前の私は、法律を遵守できてさえいれば訴訟を含めたあらゆるリスクの回避ができ、それがすべて!と思っていました。前職では1年単位の変形労働時間制を採用しており、年間休日が87日ほどだったのですが(土日祝日が休みの企業だと120日前後)、「休みが少ない」という声が上がっていました。しかし、会社としては制度に則っている限り、法律違反をしているわけではありません。私は「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」としか思ってませんでした。労働基準法はあくまで「最低基準」なのに、「法律を守っているのだから、何か問題ありますかね?」という考えを持っていました。私が当時、仲間のそういった不満に対して何か解決策を提案できたかというと、できなかったとは思います。ただ、根本的な会社のルールは変えられなくても、私の労務担当としてのスタンスは間違っていたし、働く仲間を想う気持ちが欠けていたのは明らかですね。

(労働条件の原則)
第一条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。
② この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。

(労働基準法の一番最初にも「向上に努めなければならない」と書いてあるのに・・。努める気ZEROでした)

★☆アップデート内容☆★

どうしたらより皆が働きやすくなるのか、という視点が加わりました。

iCAREには年次有給休暇にプラスして下記のような独自の有給があります。入社して間もなく知ったとき、法律より多く休みがもらえるなんて何て社員にやさしい会社なんだ!と思いました。多分以前の私なら、法律通りに有給付与しているのならそれ以上はいらないのでは?とか思っていました、過激派だったので…。

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年次有給休暇に追加付与というメリットに加えて、もうひとつあげられる良い点は、取得目的が明確であるということだと思います。世間的に有給取得率がなかなか上がらない中で、Self-Care Dayは「体調が悪いときは、休んでいいんだよ」、Chill-Out Dayは「働くことも大事だけど、リフレッシュも必要さ!」という会社からのメッセージがある気がして、休みやすい環境づくりに貢献しているなあと思います。
実際に勤怠を毎月確認していると、10人前後は取得をしている方がいて、有給制度自体が浸透しているなと感じています。
こうした人事施策が働きやすい環境を作っていくのだなあと実感したものになります。

2. 勤怠が乱れている人が嫌いだった

 当日欠勤しないこと!とか、遅刻しないこと!とか、当たり前と言えば当たり前なのですが、守らない人がいると、「しっかりしていない人だな」「なんで守れないんだろう(守れよ)」って思っていました。そんな考え方を持っているので、多少しんどくても出社!とりあえず定時に出社!という感じで、生産性も何もあったものではありませんでした。そしてさらに残念なことに、月に1回、締め作業で確認する勤怠表は「給与計算の元になるもの」としか思っていませんでした。

★☆アップデート内容☆★

「勤怠表の裏には人がいる」という視点が加わりました。

勤怠表はただの残業手当や欠勤控除を計算するだけのものではありません。遅刻や欠勤をそれまでしなかった人の勤怠不良が頻発するようになった場合、労務担当としては、体調を崩していないかなど、なぜ勤怠が乱れるようになったか、アンテナを張っていなければいけません。また、過重労働にも気を配る必要があります。もちろん勤怠表をベースにして給与計算をすることは事実ですが、大事なことは他にもあるということに最近になって気づきました。多分皆さんは当たり前に念頭に置いているのだと思います。今まで当たり前が出来ていなかったのは私でした。あとは「遅刻や欠勤=完全にダメなこと」という考えから解放されつつあります。自分も楽になりました。(なんなら昨日休みました。体調不良で休んだのはたぶん社会人になってから初めてです)

まとめ

法律を守らなければ!というのが常に頭にありながら、ストレスチェックや過重労働など労働安全衛生法に関する知識がほとんどありませんでした。最低限はできているし、社労士や労基署に突っ込まれていないので問題ナシ!としか思っていませんでした。よく労務としてヘルスケアの会社に入社できたものです。絶賛勉強中です。それから「働く仲間」を想う気持ちも欠けていました。何より怖いのは、私もほぼ同じ条件・環境で働いていたのにも関わらず、そんな攻撃的な考えを持っていたことです。怖い…新手のサイコパスか…?

それでも、実は私と同じような考えを持っている人はある程度いると思っています。それは、経営者がそのような考えを持っているからかもしれないし、職場が嫌いな人ばかりだからかもしれないし、単に諸々の仕事が増えるのが嫌、面倒くさいという理由からかもしれません。いずれにせよ、そんな考えは今すぐ変えるべきだと思います。人事労務が仲間を思いやれなくて一体他に誰が思いやるというのか!目を覚ますんだ!

今後 

労務で1番大事な視点は、「一緒に働く仲間が気持ちよく健康に働けているかどうか」だと思います。しっかり法令遵守・リスク回避も、もちろん大事です。でもそこはあくまで最低基準なのです。社会人4年目にしてようやく身をもって学びました。

これからは、周りの変化にも気付ける、血の通った温かい人事労務になりたいです。多分今は人造人間くらいです。早く人間になりたいなあ!

おわり。
ここまで読んでくださってありがとうございました!

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