ピクニックのすすめ
涼しい季節になると決まって
「ピクニック行こう!」と僕は言う
今日は立川の昭和記念公園に行ってきた
お弁当は毎回僕が作っている
我が家は子供がいないので
いつも奥さんと二人でピクニックをする
芝生にレジャーシートを敷き、涼しい風を感じながら食べるお弁当はなんであんなに美味しいんだろう
きっとお家の中で食べるより100倍も美味しい
食後は横になってのんびり風景を眺める
目を閉じれば鳥のさえずりが聞こえ、秋のにおいがして、背中で地球を感じる
ピクニックの時は俗世のことは考えず
あるがままに自然を味わう
自分という物質を細かく見ていくと皮膚があり、組織があり、細胞があり、核があり、分子があり、原子があり、素粒子がある
すべての物質は素粒子から出来ている
だから、いま背中に敷いたレジャーシートもミクロの視点で見れば、僕とシートに境目は無い
するとシートと地球にも境目が無くなる
そうして全てに境目がなくなって
地球と自分が同化していく
こうした感覚になれるピクニックが好きなのだ
あと昔、小学生の頃、
運動会があるとお昼休みは各家庭でレジャーシートを敷いて校庭でお昼ごはんを食べた
普通なら校庭中央に近い場所に陣取るけど、僕の両親は「自分の子供だけ見れればいい」「ずっと日向はつらい」と、校庭の奥の木陰に陣取るのだ
その時、母親が作ってくれるお弁当には、いつもおいなりさんと日清の唐揚げ粉で揚げたからあげが入っていた
そして、自分が主役という高揚感
自分の運動会のために来てくれていて
自分のために作られたお弁当を
家族みんなで外で食べる
というシチュエーションがとても幸せに記憶されている
僕らには子供がいないから
もう運動会に参加することはない
だから、春と秋にはピクニックに出かけて
大空の下でおいなりさんとからあげを食べたいのだ
妻が「美味しいね」と言って
僕も「美味しいね」と言う
こんな幸せを味わえるピクニックが好き