レモータスタジアム備忘録
1年後にレモータ再開しま~すとか言われたときのためのメモ書き。
ポケモンユナイトというゲーム
そもそもポケモンユナイトとはどのようなゲームであるか?という定義をよく知らないまま散歩しているプレイヤーをマスター帯でも見かけるが、このゲームの目的は敵チームよりもゴールを決めることである。
翻って「自分は敵チームよりも効率よく味方チームが得点を入れるために注力しなければならず、そのためにポイントをかき集めて敵を排除しゴールに向かわなければならない」……というゲーム性になったのは今のマップからであり、レモータスタジアムにおいては事情が異なる
レモータスタジアムにおいて最も効率のいい得点方法とはサンダーである。
本ゲームは個人がどれだけ奮闘しようともその最大得点ポイント200点強がせいぜいのゲームであり、かつその200点は他の味方が引き付けているサイドと逆を突くことでなんとか達成されるような値である。つまり、見ためでは自分が200点入れたように見えてもそのポイントは事実上味方全員のなんらかの貢献によって入れられた得点ということだ。
こうしてチーム全体でコツコツと稼いだポイントはサンダー取得によっていとも簡単に否定される。何とか敵を排除し、逆サイドに敵を釘付けにして時間を作ってようやく入れるものであったポイントは、サンダーを取るだけで「敵ゴールに触る」というあまりにも低い難易度によって手に入るものへとすり替わる。
その期待値は最大500点。チーム全体が奮闘して作ったリードはこうしてサンダー戦の勝敗如何であっさりと崩壊するわけだ。
つまり、レモータスタジアムにおけるポケモンユナイトとは
サンダーを取ることで勝利する
そのために経験値的リードを積み重ねる(ゴール差はどうでもよい)
そのために経験値の大きいオブジェクトを確保する
そのために集団戦で勝てるようチーム全員を育てる
そのために序盤から経験値的リードをとる
このようなゲームであるという定義が可能である。
ものすごく簡単に言えばゴールを取るために最も効率のいい行動はゴールではなく戦闘であるというわけで、ここを見誤ってゲームの理解をし損ねたプレイヤーを何人も見たものだ。
終了時点での環境
さて、以上のことを踏まえて最終的にどのようなゲームであったかを見ていこう。
参戦次点で圧倒的なスペックを有していたバンギラスの暴走中に幕を閉じることになったため正確に図ることは難しさもあるが、レモータスタジアム終了時点での結論構成はほぼ
バランスエース(バンギラス、リザードン、アマージョ、カイリキー)
バランスエース介護サポート(ハピナス)
バランスエースストッパー(ヤドラン、リザードン)
オブジェクトゲッター(カイリュー、ADC)
補助枠
で構成された。
バランスエース
最終的にレモータ環境を定義した、ゲーム中盤以降を支配するエース。例外なく晩成型かつ攻守兼ね備えたバランス型であり育ち切った状態で敵数体を蹴散らしゲームを破壊する役割を担う。
バランスエースを上手に育てきり、長持ちさせ、相手のバランスエースを機能不全に陥らせることでサンダーの集団戦を勝つことが狙いである。
サポート
バランスエースを長持ちさせる役割。中でも集団ではなく個、バランスエースのみにフォーカスしてサポートができるハピナスが最も高評価を得た。
逆に環境初期で全員にシールドをばらまけるワタシラガなどは相対的に評価を落とし、バランスエース環境であることを知らしめた。
ストッパー
育ち切ると全く手が付けられないバランスエースであるが、そのあからさまなオーバーパワーを止めるように設計されたポケモンも少数存在する。
自身もバランスエースでありながら決定的な性能のユナイトわざを持ちストッパーを兼任しうるリザードン、そしてありとあらゆる耐性を貫通して止める最強の盾ヤドラン。これらはチーム内の構成を見てどちらかを取ることが推奨された。
オブジェクトゲッター
これは簡単に言うとADC、つまりキャリー枠であったものだが、戦闘の主要なダメージディールをバランスエースに譲る形となり、自身が大量に経験値を占有するハイパーキャリー型のエースバーンやゲッコウガではなくLv8~9で殆ど完成をみることができ、オブジェクト取得の性能が最も高いカイリューが重宝された。
一方でバランスエースは近距離戦に持ち込んだときの決定力は高い一方で単体としては遠距離攻撃に弱点を抱えるポケモンが多く、主要ADCはタイマンにおいてはそれらに有利を取り得るというところから運用しきれる高熟練プレイヤーが勝率を出していた面もあるようだ。
以上の4要素を1ユニットとし、それに欠ける要素を最後の1枠とするというのがチーム構成となっていた。
なお、その枠において実際に高勝率となったのは多少レンジが長い一方でヘイトを集めながら逃走能力があり回避盾としてのタンク運用も可能、と汎用性において秀でるウッウである。ウッウはカイリューとのかみ合いが良いところも追い風となった。一方でADC採用ならここは追加のタンクが欲しいところであるがそれらは軒並み勝率が低かった様子であり、環境の答え合わせとなったようだ。
総括
以上がレモータスタジアムの全容であり、執筆次点でのマップであるテイアとは大幅に事情が異なることが伺える。
テイアはサンダーに相当するオブジェクトの決定力がガタ落ちしたことで、いわゆる「サンダーとったら100万点」という展開は影を潜め、レーンで積み重ねたゴール数がそのまま勝利に結びつくことが多くなったといえよう。
ただしこれは逆を言えば「サンダーラストヒット取れるか運ゲー」という大きな運ゲー要素が一つ消えたということでもある。
本作はチーム戦であり、大きな運要素「マッチング」が存在する。これはチームを組めば解決する一方で大多数のプレイヤーはソロプレイヤーであり、となると運的な要素が複数散りばめられていることで単体の運要素の価値が相対的に薄れていたレモータよりも現環境のほうが一つの運要素、マッチングの影響だけが大きく出ることになる。
最終的にゲーム内におけるマッチング以外の運要素が小さくなるほど、個としての勝ちやすさは薄れるだろう。これは現マップの良いところでもあり問題点にもなると思われる。