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ポケモンユナイトのキャラTier表を作るという話と、ポケモンユナイトのキャラTier表を見ることに意味はないという話

序文

あらかじめ結論から言うと、Tier表を作るという作業は自分の環境理解を言語化して出力するという作業であるため、自分が作るということには大きな意味がある。
一方で、Tier表を見て鵜呑みにすることにはゲームの性質的に大きな罠があるため、「こいつこう思っているんだな」程度の理解で十分である。

それではまず、簡単に済むので「Tier表を見る必要はない」という話の根拠からいってみよう。

今このポケモンが強いぜという話の罠

Tier表とは、その人が思う「『今このポケモンが強いぜ』という話」である。
この短い文章の中にすでにトラップが一つ隠されているのだが、わかるだろうか。


そう、これは「今」の話であって将来的にどうなるか分からないのだ。
しかも「将来」がいつくるのか今のところ不明である。極論あしたにでも「調整はいりま~す」とか言われてもおかしくないし、そのことに我々は文句を言ってはならない、と規約にも書いてある(ちゃんと規約に目を通しましたか?)。

君は公式ホームページを見ただろうか。見ていないなら今すぐ開いてみよう。

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すると、TOPICSの項目の中にすでにバトルに関する調整内容の項目が作られていることが分かるはずだ。
今のキャラバランスなど所詮はただの水物であることがうかがい知れるだろう。


もし、この文章を読んでいる方の中に「ゲンガーってテスト版のときは弱かったけど今強いよね」という話を聞いたことがある人がいるなら、その危険度にピンとくるはずだ。
ゲンガーはメインウェポンのたたりめがリロード時間短縮によって一躍強ポケモンとしてトップクラスの立場に躍り出たが、「バトル内容に関してテスト版からの調整はありません」と明記してあったにも関わらず実際は山ほどサイレント調整が入っていたのである。

つまりどの程度のおおきさの「バランス調整」が来るかは全く予測不可能であるため、現状でのゲームバランスについて気にするのは今夜勝ったあと明日にはゲームをポイ捨てして違うゲームに飛び立つ、ゲームの美味いところだけ味わう方法を知っているプレイヤーでなければ必要がないということになる。
もしあなたが長い期間ポケモンユナイトに向かい合おうというのであれば、他人のTier表を眺めて得られる情報とは「作ったやつの考え方」ぐらいでしかない、ということである。


自分の考え方を出力するということ

以上のように他人のTier表は眺めていても、さっさと辞める奴以外は時間の無駄となるものにすぎないが、自分がTier表を作るということは自分の考え方を理解可能なように反芻し、再出力することでもある。
なのでTier表を作ること自体は大いに有意義なゲーム攻略のしかたであり、実際にやってみることで整理がつき様々なことに応用できる力が身につくものだ。

というわけで以下に自分のTier表を示す。これ以降の情報とどのように付き合うかは読者自身が決めるといいだろう。

Tier表作成の素材はTiermakerからお借りしました。


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サポートキャラランク

A:ワタシラガ
実はテスト版から軽い弱体化を受けている(かふんだんごのリロード延長)が、強さの根本を支えるコットンガードは健在であり必須サポの座は揺るがなかった。
味方の近くでコットンガードしながら攻撃をばら撒きつつ危なくなったらユナイトわざという分かりやすい立ち回りで本当に強い。
存在するだけで継続戦闘力が跳ね上がるため、少数、多人数を問わず戦闘が起きる場所には必須。

B:バリヤード
書いてあることは複雑だが、簡単に言うと遠距離から妨害が得意なポケモン。
じつは自分の防御系ステータスの水準がヤドラン並みにあるためガードスワップは単純に味方に撃ってもうれしいし、相手に撃てば行動妨害なので悪い結果にはならないだろう。
捕獲した敵に味方が攻撃を集中できるようなシチュエーションでは強力だが、集団戦闘の立ち回りが難しく、それでいてワタシラガより効果範囲は狭くなりがち。うまくハメられれば、という可能性は感じさせる。

C:プクリン
バリヤードとは違って防御性能はワタシラガ並み。
敵の懐に飛び込んで戦端を開く役割であり、また飛び込まなければ仕事がないので肝心の防御が紙ペラという点が評価を下げる要因になってしまう。
硬くなればチャンスはありそうだが、あまり硬くし過ぎると今度はメロメロボディの威圧感がすごすぎるのでバランス調整がけっこう難しそうな印象。うまいことやってくれるといいのだけど。


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ディフェンスキャラランク

・・・の前に同ランクについて説明。
Tierが同じ場合、左にいくほど終盤に強く、右にいくほど序盤に強いポケモンである。

A・後半型:カビゴン
ヘビーボンバーで突っ込んでいき相手の攻撃を受けきるタンクらしいタンク。
少数戦でもステータスの暴力で割と強いがやはり大人数での戦闘が最も仕事の多い役割である。
ディフェンス型はどれも強いので好みで選んでよいが、求められる仕事が最もしやすいのはカビゴンであろう。

A・中盤型:ヤドラン
単体への拘束力がとんでもない行動阻害のエキスパート。
最も輝くのはルート上での2対2で、敵を捕獲して相方のアタッカーに攻撃を添えてもらうだけで簡単にKOが量産できる。一方で多人数戦でもわざの命中精度次第で活躍の見込みがあるが、下手な奴を捕獲すると逆にそのあいだ味方が敵のアタッカーに殴られ放題でした!みたいな事故にもなりかねないのでちょっと頑張ろう。
ディフェンス型はどれも強いので好みで選んでよいが、相方とのコンビで攻め込めると判断したならヤドランがオススメだ。

A・フレキシブル:イワパレス
からをやぶってアタッカーに転じることを許されるともう止まらない、攻撃的なアタッカー兼任タンク。
とんでもない速度で襲ってきて延々とまとわりついてくるので序盤から試合を破壊する能力がとても高い。
一方でエグい形の壁を作るがんせきふうじはこれはこれでアタッカーと強烈なシナジーを生み出せるので、連携が取れているなら普通のタンクとしてふるまうこともできる。どっちのルートに進んでも強力なポケモン。
ディフェンス型はどれも強いので好みで選んでよいが、自分はこのポケモンしか使わない!という決意を固めたなら運用に柔軟性のあるイワパレスがオススメだ。


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アタックキャラランク

A・終盤型:エースバーン
アタックタイプというのは要するに遠距離からチクチクとダメージを与えるタイプで、その中でも最もDPSが高いのがエースバーンである。
防御スキルのフェイントも覚えるのでバランスがよく、最終盤にむけて万全の状態で挑めるならチームのメイン火力を担う役割となる。
一方でわざに行動妨害が全く含まれていない純粋な火力役のため少数での戦いは相方の行動妨害にとてつもなく依存する。本領を発揮するのは役割分担が完璧におこなえるチーム戦であり、一人でランクに挑むシチュエーションでは多少評価が下がるのではないだろうか。
もちろんこれは単純なスペックを見るキャラランクなのでそういう事情は考慮しない。

A・終盤型:ゲッコウガ
エースバーンとよく似た役割だが移動速度低下、HP回復などを持ち防御的な方向にパワーを振り分けた遠距離攻撃タイプ。
弱点もほぼ同じだが、両者の共通点としてぶつり型であることが挙げられる。
いまのところパーティー全ぶつりでもさほど困る場面はないが、ポケモンの例の通り本来はアタッカー(アタックタイプという意味ではなく攻撃担当のプレイヤーのこと)はぶつりととくしゅが分かれているほうが都合がよく、味方の構成をよく見て出すべきポジションである。
また、アタックタイプはおおむね似た立ち回りが可能なので味方の構成を見てから出すことがやりやすく、パーティーの調整弁を担うことが多くなりそうだ。

A・中盤型:キュウコン(アローラ)
先ほどぶつりととくしゅを分割すべきという話はしたが、実はこのゲームはすべての通常攻撃はぶつりという特徴がある。
とくしゅ型はどうしてもわざによるダメージ出力が求められる(ここがぶつりアタッカーの優位点)のだが、ことキュウコンにおいてはオーロラベールによる通常攻撃の強化という継続したとくしゅDPSを出す方法があるため求められる役割を果たすのはさほど難しくない。
それと選択になるふぶきも相手を押すという特徴からゴール付近でのお留守番に使いやすく、少数行動でしっかり役割を果たせるのでどういう役割を期待されているかを理解してわざ選択を行おう。
最初の戦闘でロコンのまま当たる場面が多少不安だが、おおむね中盤以降は安定している。

A・序盤型:ピカチュウ
簡単にいえば進化しないキュウコンで、最序盤の不安を解消した代わりに継続してDPSを出すというよりは技を引っかけてから追撃で一度にダメージを与えるタイプ。なので序盤のほうが更に得意である。
遠距離で行動妨害できるので終盤でも活躍できないわけではないし、キュウコンともども序盤から終盤まで他のタイプより満遍なく仕事があるタイプだが、両者とも全ポケモン中最低の防御性能なのがネックで捕獲されると終わりである。ワタシラガやプクリンも柔らかいって言ったけどそれより脆いぞ。

A・超序盤型:ウッウ
いきなり覚えるうずしおが馬鹿げた火力を持つ超初動型アタッカー。
接近戦を挑むわざダイビングを覚える都合上、なのかは不明だがピカチュウらより多少固く、とにかく最初から勝ち続けてそのままゲームを破壊することを狙うポケモン。
ユナイトわざもかなりの攻撃力を誇り、だいたいそのぐらいの時間帯で覆されない優位を築き上げることを要求される。
そのためにも上下レーンでの少数戦が強い相方とタッグを組みたいところだが、異様な火力を生かして中央運用して序盤型スピードタイプを抑え込むという運用もあるとかないとか。

うのミサイル→どとうのミサイル
っていう言葉遊びはとても好き。

B:フシギバナ
尋常ではない射程のソ-ラービームや周囲を攻撃しつつ回復するギガドレインに通常攻撃の範囲攻撃化を加えた、ダメージ出力の効率が良いポケモン。
問題は脆いのを解消する手段を全く持たないこと。耐久力はピカチュウ、キュウコンと同じなのだが両者がもつ行動妨害、あるいは距離をとる技を全く持ち合わせていない。
つまり「もっとも袋叩きにしてさっさと退場してほしいアタックタイプ」のなかで「もっとも袋叩きにしやすいポケモン」という困った特徴をもっているのが痛い弱点となる。
攻撃の効率は良いので、とにかく相手に先に退場してもらうか気合のだっしゅつボタンで避けまくるしかない。


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スピードキャラランク

A・終盤型:ゲンガー
テスト段階では貧弱だったが、たたりめのリロードが大幅短縮されたことで単体を溶かしきる性能を手にした凶悪なアサシン。
その火力はヘドロたたりめにほぼほぼ集約されるため、単独でかち合ってしまうと移動技かだっしゅつボタンでたたりめを回避することで生還できるが、逆に言うと走って逃げるのは不可能に近い。
フルコンボをもらえばタンクも落ちうる火力を有するため後半はゲンガーを止められる奴と共に行動すること。
とくしゅの晩成型アサシンという、本来は非常に運用は難しいポケモンなのだが、中央は割と広いため現状では思ったより捕まえにくいという評価。育ちきれば相手を逃がさないので非常に捕獲性能が高く、育てる価値は十分にある。

A・中盤型:ゼラオラ
派生技習得あたりから火力が跳ね上がり、ほうでん・ワイボル習得あたりでハチャメチャな攻撃力を手に入れる。
豊富なムーブ技で移動力が高く、追撃に走れば相手を逃がさないし逆に自分は逃走可能。
スピードタイプだが生存力の高さから上下レーンに出張可能であり、後半まで息切れしにくく万能型の印象を受ける。
あと地味にファイアローやアブソルより硬いのもポイント高め。

A・序盤型:アブソル
スキルがきゅうしょ型なのでハマれば序盤から止まらないが失速も激しいというアサシンらしいアサシン。
いずれのスキルも高出力かつ追撃性能が高く、序盤から強襲して相手を刈り取る戦術が強力だがあまりにも脆いので自身が狙われるほどに周囲が育つと一瞬で落ちる危険性を秘める。
幸いにして環境はかなり序盤重視の傾向があり、野生のポケモンを倒すスピードが序盤から非常に速いアブソルは相手を封殺するに足るだけの性能は有していると言える。
もう一度言うがめっちゃ柔らかいので無理はしないように。やられる前に倒すためのポケモンだ。

B:ファイアロー
機動力の突出したポケモンで上下戦闘に介入する手段が最も豊富なのだが、ちょっと移動にキャラパワーを割きすぎた感があり戦線介入時に相手の中央レーナーとかち合うと非常に負けやすい。めちゃくちゃ脆いわりにアブソルほど火力が出るわけでもなく、行動妨害も持ち合わせていないのであくまでも有利なところに駆けつけて有利を拡大するのがお仕事である(スピードタイプはおおむねそんなもんとも言えるが)。
裏取りユナイトわざが完璧に決まらなければ集団戦闘も不得手なのでリスクを取ってアブソル使ったほうがリターン大きくていいのでは感は正直かなりある。


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バランスキャラランク

A・終盤型:カイリキー
チームの花形である近接アタッカーがバランスタイプだが、その中でも非常にバランスが取れているのがカイリキーだ。
流石にワンリキー時は貧弱さが否めないものの、1進化で最低限の戦闘力を有し、2進化でステータスも跳ね上がる。完成すればエースにふさわしい活躍が見込める。
とくに行動妨害無効の時間が長いじごくぐるまでの追撃性能は素晴らしく、中央から走ってよし。一方ヘビーボンバーは一瞬で間合いを詰められるためこれも追撃性能が高く下レーンで育ててよしで活躍の場が広いためつぶしが効きやすい。
安定性と爆発力を両立しており、アタックタイプならカイリキーでまず間違いはないだろう。ぶつり方面への耐久力が一際高いのも好ポイント。

A・序盤型:ルカリオ
下レーンで働くべき近接アタッカーだが中央にも行ける、ゼラオラに近いタイプ。
早い段階から高い追撃力と火力を有し、近接アタッカーとしては数少ない耐久力と火力を両立した序盤型のため中央にいったポケモンに仕事を割り振らなくても試合が成立しやすい。
そのため念入りに育てたい中央ポケモンと同時起用するべきだが、全員序盤型で攻め潰すというハイリスクな選択肢もないわけではない。
そのぶん他の2進化アタッカーより多少耐久が落ちるのでチーム戦の場合は構成を考えておこう。

B・超終盤型:ガブリアス
通常攻撃の性能が高く、完成してしまえばトップの火力とステータスを併せ持つ、のだが完成が非常に遅い終盤型のなかでも終盤型のポケモン。
フカマル状態では戦えないのにガバイトになれるのはLv6と他のポケモンが2技目をそろそろ派生させていそうなタイミングである。というかエースバーンあたりはLv7で2進化する。
たしかに中央レーンは敵ポケモンとかち合う場面が少なく育てやすい面はあるのだが、それにしたって活躍できる時間が短いのはネック以外のなにものでもない。
一応ソロでサンダー狩りできたりするが、ガブリアス完成までにチームが瓦解していないかは大きな懸念点である。上下レーンには相手の介入を耐え続けるキャラパワーが求められるし、ガブリアス自身も確実に有利を獲得できる立ち回りを習得しなければならない。
もちろんいったん殴り始めればとんでもなく強いのだが。

B・超終盤型:リザードン
ガブリアスは完成するまで遅いタイプだが、こちらは完成するまで弱いタイプ。
進化するほど射程が伸びる、という特性を与えられたが、それは裏を返せば序盤はリーチが短いのに分類上は遠距離型というちぐはぐさを発揮するということでもあり、とにかくヒトカゲ~リザード時の弱さが尋常ではない。遠距離型という査定が響いて耐久力すらない(アプデでどうなるか分からないとは再三書いているが、こればかりは改善する見込みも薄いだろう)。
間違いなく最強のユナイトわざを有するものの、これは見方によっては「一応ガバイトなら戦闘介入ぐらいは可能なガブリアスより更に戦える時間が遅い(ユナイトわざ取得は9Lv)」ととることもできる。
味方に負担を強いるわりにユナイトわざを保持しているタイミングでしか輝かないので全体として耐え忍ぶ時間が長くなりがち。そこをふまえてなお一度の集団戦闘にすべてを賭けられるなら使ってもいいかも。


終わり

駆け足ですべてのポケモンをレビューしたが、致命的に使えないようなポケモンは現状おらず、評価の低いポケモンは「それ〇〇でよくね」というのが大半である。それはすなわち、頑張ればそいつでもいけるよ、ということでもある。
というわけでわりとバランスは悪くないゲームだと思うので、気長にバランス調整を待ちながら好みのポケモンを選ぶのがたのしい遊び方ではないだろうか。

もちろん強いポケモンが好きなポケモンだ、と正直に言ってもいいのよ。

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