菜食インタビューvol.④ 小城さん
こんにちは、Grino編集部です!
今回はGrinoサポーターのインタビュー第3段で「小城さん」のインタビュー記事です。
内閣官房で内閣事務官をされている小城さん。またポール・マッカートニー氏が地球環境保護などを目的として提唱している「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」や世界中の様々な「週いちベジ」キャンペーンに呼応して、日本でも活動を展開している「ミートフリーマンデー・オールジャパン(MFMAJ)」の事務局でもご活躍されています!
日々の食生活
-日々の食生活で制限していたり取り組みされている内容はなんでしょうか?
ヴィーガンなので当然動物性のものは取らないですし、外での選択肢も少ないので自炊が多いです。
私は大豆ミートは食べないです。他のヴィーガンの人も多いと思うのですが、少食ということもあって漬物とご飯とみそ汁だけという食生活です。朝は食べませんし、昼食を食べたら夜は食べたり食べなかったりで一日1.5食ぐらいなんです。
-ちなみにお味噌汁は結構バリエーションがあったりしますか?
もう本当普通ですね。出汁は昆布とか椎茸とかを使ったベジ用の出汁であったり、自分で出汁を作ったり。
-外で食べる時や飲み会とかどうされていますか?
飲み会の時は酒と塩だけみたいなことがあります(笑)。あとあればお豆腐とかお新香とか。動物性のものを取らないようにすると結局塩に行き着きますね。塩舐めながら酒を飲むみたいな(笑)。
-そうなんですね!お酒は何を飲まれますか?
ヴィーガンになってから純米酒しか飲めなくなりました。
ビールとかワインを飲むと頭が痛くなるようになったんです。なので飲み会で周りは取りあえずビールが多い中、私は取りあえず日本酒です。
菜食を始めたきっかけ
-ヴィーガンはいつから続けていますか?
4年前の2017年からです。それまで5~6年ほどはチーズと卵だけを食べるラクト・オボ・ベジタリアンでした。会食の時だけ魚介類をいただくというような食生活でした。
2017年からあることがきっかけでその食生活をやめました。またその年にスマホデビューをして、乳・卵の過酷な現状を知ることが増えたことも理由です。それまではエシカルな意味合いでは乳・卵は殺していないし大丈夫かなと思っていたのですが、それよりもっとひどい過酷な現実があることを知ってスパッとやめました。なぜかスパッとやめたタイミングでその後2〜3週間鼻水止まらなかったです。
-5~6年ほど前のラクト・オボ・ベジタリアンになった際のきっかけはなんだったのでしょうか?
元々が健康オタクだったのですが、その辺りの書籍を読んでいると、お肉はあまり健康に良くないという共通点がありました。そこでお肉をやめてみると、ことのほか気持ちが軽くなったり身体的なパフォーマンスが良くなりました。やめる順番としては人間に近いものからやめていきました。まずは哺乳類、次に鳥類、その次に魚介類をやめてといったような徐々にです。
一度それをやり始めると、更に広げたらどうなるんだろうという好奇心がありました。なのでノリで始めてみて、結果続いた感覚でもあります。あとファッションみたいにカッコイイのかも…のような、最初かなり軽いタッチでした。
そのような中でヴィーガンの方達に知り合う機会が増えていき、乳と卵の過酷な現状を知って完全なヴィーガンになりました。人と違うことをするのが好きみたいです。
また元々ビートルズのファンで、子供の頃からビートルズが好きだったのですが、メンバーのポールがやっているベジ活動にファンとして寄り添えてる喜びというのもありました。
-メリットとデメリットはありましたか?
デメリットは日本だとまだ選択肢が圧倒的に少ないことです。あと飲み会とかだと絶対に割り勘負けします(笑)。
目指すこと
私がこうあってほしいなと目指すところは、いつでもどこでもヴィーガンやベジタリアンという選択肢があることです。スーパーでもレストランでもコンビニでも、どこでもそういう選択肢があるといいなと思います。
今のイギリスがそれに近いかもしれないですね。メニューの中にVマーク(ベジタリアン対応メニュー)がありますし、スーパーに行けばVマークの付いてる商品がどこにでもあります。元々ヴィーガンという言葉はイギリスで生まれたのもあって動物福祉も活発ですし、一般の人とも共存して何馴染んでいて特別な存在じゃないんですよね。それに比べるとまだ日本はかまえている印象で、まだまだ時間がかかる気がします。
幸い去年からマスコミも取り上げ始めて、生協やスーパーでも着目されることが多くなっているので、これが浸透していけば供給側がそのような商品をどんどん作っていくしかなくなると思います。
これまでヴィーガンと言うとどうしても少し価格が高く、セレブの道楽と思われた部分もありましたが、ベジを選択することでSDGsに貢献できてるんだよと人々が理解するようになればいいですね。愚直かつ着実にやる事をやり続けているのですが、その方が共感を得られるんじゃないかなと思っています。簡単には理解されないことでもあるので、割り切りも持ちながらいつかはわかってもらえるだろうと控えめな発信をしていくしかないと思います。
-確かにどのように伝えるかって大事ですよね。
一つエピソードがあって、私よりはるかにベジの先輩に会食で「魚介類たべちゃうんですよね〜」と言ったら「どんどん食え!」と言われたことがあります。どのような意味合いだったのかはわかっていませんが、いろいろな要素が詰まった言葉に思えてずっと根底にあります。肉や魚を食べることもある人がビーガンに関心を持つことは悪いことじゃないし、そもそも関心を持ってもらえることがいいことだと思っています。
-例えいいことでも言い聞かされるだけではなくて腹落ちすることが大事なんですね。
それぞれ人の体質ってありますし、自然な食のあり方とは何なのかをまず考えることが大事ですよね。資源を使いすぎないようにとか、抗生物質とかいろいろな問題があるので、日本人としてどういう食が一番いいのかを考えるのは切り口になると思います。
またお肉を食べること自体はおかしいことではないけど、生産の工程はどうなのかと思うことはあります。なるべく地球に負荷をかけない人類社会とは何なのかということを考える必要があると思います。
若い世代の考え
私たちは惰性でお肉や卵などの乳製品を食べていることがあって、例えばキーマカレーのそぼろ肉なんて誰もお肉と思って食べていないですし、惰性で入っている動物性のものをなくす流れを作ることが大事だと思います。
幸い今の中高生はSDGsを勉強しているし、彼らは発信力を持っているので情報が早いです。私も高校生と話す機会があるのですが、いわゆるZ世代の想いを私たち大人が受け止め切れていないです。「自分はこうしたい、こういうものが食べたい」などの想いや考えがある中で、それを先生や親が叶えてくれない。彼らや彼女らも将来どうなるんだろうと不安感を持っています。それに対して大人が道を示し切れていない現状です。なんなら彼らの方が知識があったりすることもあるので、話を聞いていると気持ちがしゃきっとします。
-私たち大人ももっと考えなければいけないですね。
彼らや彼女らの話を聞いているとすごくやる気をもらえます。小学生にSDGsを教えている高校生もいて、彼もいろんなところに駆け寄って行動におこしていたり。私たち大人はもっと彼らの話を聞いて拾ってあげる必要があると思います。話を聞いてあげるだけでもいいので、こうしたいああしたいという想いの受け皿を用意してあげる必要がありますね。彼らはまだできることが多くないので、ヴィーガン食を食べることで地球に貢献できる。学生なりにできることはなんだろうと行動している人はたくさんいるので、そういう人たちを学校の先生たちも後押ししなければならないですね。
編集後記
元々健康おたくから始まった小城さん。内閣府の食堂のみならず、都庁や今回取材で利用させていただいた気象庁の食堂にも「ベジランチ」を提案し実現してしまう根気強さと熱量を感じました!
取材にご協力いただき本当にありがとうございました!
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