ある日 突然 山にツノが生える
山はある日突然、ツノを生やす時がある。時には一本角、時には二本角、腹から生えたり、肩から生えたりする。生えるというよりは、本人の意志とは関係なく、生えさせられた、いや植えられたと言った方が正しいかもしれない。痛々しく、植えられ、突如として光景が一変する。
ある朝、新聞を取りに外に出ると、わたしの大好きだった山のそれが、煌々と朝陽に照らされていた。美しいほどに銀色に輝いて、太陽の光を浴びている。「おまえもとうとう、植えられてしまったのね」申し訳ない気持ちと、どうしようもない気