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コロナ禍の飲食店に勇気を、全国拡大中の「東京からあげ専門店あげたて」

新型コロナウイルスの感染拡大により、飲食店が打撃を受けているニュースを毎日のように見る。久々に外を出歩くと、閉店を余儀なくされた店のシャッターが下りており、さらには規制により20時以降の街並みはすっかり暗くなってしまっている。このように飲食業界が大打撃を受けている中、唐揚げデリバリー専門店「あげたて」は、北海道から沖縄まで全国に164店舗、他デリバリーブランドと合わせて累計600店舗以上と、今も拡大を続けている。「あげたて」はバーチャルレストランの形態で、現在新しく累計1,000店舗以上の開店準備を進めている。「あげたて」は実店舗を持たず、居酒屋やイタリア料理など、様々なジャンルの飲食店に揚げたての唐揚げ専用キットとノウハウを飲食店に伝授することで、Uber Eatsや出前館などのデリバリーサービスを通じて店舗を持つことができる。今回は唐揚げ専門店「あげたて」の創設者で開発本部長の平石さんにサービス開始に至るまでの背景やwithコロナ時代の飲食業界の今後の展望をインタビューした。

バーチャルレストランを開始するまでの背景、また苦労したことはありましたか?

3年前までは中野のやきとり屋で店長をしていました。リピーターさんも多く、売り上げも良かったのですが、さらに売り上げを伸ばすために、テイクアウト、デリバリーに注目しました。しかし、店舗が地下にあったため、開始当初テイクアウトは不調でした。そこで、デリバリーに注力し、社内で批判を浴びながらも当時の日本では浸透していなかったUber Eatsを導入しました。最初はやきとりをメインにした料理を販売するも、注文がなかなか入らず、次いで「日本の国民食はカレーだ!」とカレーに着手するも失敗。次こそはと当時大ブームだったタピオカドリンクを人気のお店と共同開発するも、大手競合には勝てず、全く売れませんでした。

そのような中で”からあげ”にたどり着いた経緯はなんでしょうか?

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Licensed material used with permission by Globridge

色々な商品に挑戦した教訓として、まずは自分のフィールド内で勝負できる商品に絞りました。もともとは居酒屋だったので、タピオカドリンクのようなフィールド外では勝てないと感じ、あくまでも本業の中で戦うことをベースに考えました。さらに、デリバリーで頼むものと考えた時に、競合が多いところは避けようと思い、揚げ物か焼き魚に着目しました。カレーの教訓として自宅でも作れるものはわざわざデリバリーしないと学び、その中でも揚げ物は、自宅では油の消費量も多く、面倒なイメージが強いと思いました。決め手となったのは、常連さんのお子さんが私の店舗のからあげが大好きと言ってくれたことです。これしかないと思い、からあげで勝負することに決めました。

そこからは直営の店舗で試行錯誤を繰り返しました。やきとりのデリバリーを教訓として、お店で頼んだやきとりが美味しいのにも関わらず、冷めている劣化版のようなものを、配送料をかけてでもデリバリーで頼む意味を持たせることが重要だと感じました。ただ配送するだけではなく、レストランで食べる”レストラン品質”の商品を届けることを第一に展開しています。そのためデリバリー専用のからあげのノウハウを飲食店さんに伝授しています。ポイントは油の温度、漬け込みのたれ、衣を完璧に仕上げることの3つです。これらのポイントにより、飲食店さんで実際に使用されている鶏肉を使ってレストラン品質”のからあげを作ることができます。

「あげたて」を導入した飲食店さんから反響などありますか?

ありがたいことに飲食店さん同士の口コミなどもあり、現在では累計約1,000店舗に迫るほどの飲食店さんの開店予約を承っております。「あげたて」は2020年の1月にサービスを開始しましたが、その一か月後には日本でもコロナが広がっていました。一方で、3月には飲食店さんと契約し、4月には千葉で1店舗目をオープンすることができました。そこからは半年かからず、怒涛の勢いで加盟店が増えました。またポリシーとして「あげたて」では私たちが飲食店さんを選定することはなく、飲食店さんからお声がけいただくことで、飲食店さん同士の口コミで「あげたて」の加盟店が増えています。

今後の展望をお聞かせください

直近の目標としては、8月までに2,000店舗出店を目指しており、現在は大手企業さんとのコラボ商品や大手ビール会社さんとの共同開発も進めています。今後はデリバリー業界を牽引していく存在になれるよう頑張っていきます!

さらに、今後は「あげたて」の姉妹ブランドの韓国チキンにも力を入れていきます。韓国ブームの再熱をきっかけに、そのシーンを体感したいといった体験を重視する傾向があると考えます。現在、こちらのブランドも2月にリリース後、3月には50店舗、現在は90店舗と拡大しています。

平石さんから「挑戦する人」に向けてメッセージなどいただけますでしょうか

私は高校卒業後すぐに飲食とは全く関係のないネジ工場に就職しました。その後上京し居酒屋でのアルバイトや不動産など様々な職業を経験しました。
その経験から”衣食住”の中でも僕の勝負できる場所は食のフィールドだと気づくことができ、現在があります。
そのため、皆さんもたくさん挑戦をして経験を積み、自分の輝ける場所を見つけてください!

もうひとつアドバイスするとすれば、自分の〇×表を作ることをおすすめします。
私はランチの導入、看板の描き方、商品、などチャレンジした全項目に成功なら○、失敗なら×をつけていく作業を繰り返す中で、デリバリー事業にたどり着きました。
ポイントは×の意味を失敗ではなく、次につなげるための目的と見なすことです。こうすることで、周りからの○×は気にならなくなり、自分の信じた道を進む糧となっていきます。

特に、飲食店を経営される皆さんに向けて-

私たちもコロナにより40店舗を失ったため、経営が苦しい気持ちは本当にわかります。試行錯誤の中、なかなか形にならない期間もあると思います。ただその「×」と小さな「○」の積み重ねが必ず結果を結ぶ時がきます。私たちも飲食店さんを救うことを急務とし、これからも店舗拡大して活動していきますので、今やれることを一致団結して一緒に頑張りましょう!

Grill・Gunosy・サニーサイドアップの3社合同プロジェクト#コロナアクションチャンネルは、この企画を応援しています。

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