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母の日、母の死 記念日反応について

みなさんは、「記念日反応」という言葉を聞いたことがありますか。
大切な相手を亡くした後、特別な日が訪れると、大切な相手を思い出して、悲しみに襲われたり、体調不良の原因になると言われています。

12月に母を亡くしてから、生活が一変。
忙しい日々を過ごしていますが、毎月のように、何かしら記念日(母を思い出すイベント)が訪れることに気づきました。

1月は、お正月
2月は、母の誕生日
この日は、父に相談して、仏壇用と、実家の店で働く方々に、ケーキを用意しお祝い?しました。

4月は、私の誕生日
生前、母からお祝いしないとね。なんて話をしていたから、少し寂しい気持ちになりました。

5月は、両親の結婚記念日

そして、記念日反応として、一般的に影響受けやすいと思われる母の日。
知人も、「母を亡くしてから、嫌な季節…」と話していましたが、確かに街中、お母さんありがとう!の文字。
キツイと感じる人が多いのも、納得です。

確か、初めて母から癌の告知を受けた時期も、母の日シーズンで、繊細な弟は、「母が死ぬかもしれない!」と予期悲嘆に襲われるなか、街中の、「お母さんありがとう。」「お母さん大好き」が悲しく、辛く、体調崩したと言う思い出があります。
もう、立派なオッサンになった弟ですが、母を思う気持ちに、年齢は関係ない。弟のことも、少し気掛かりでした。

さて、そんな母の日に、私自身、どんな反応が表れるのか興味あったのですが、急に体調崩して、救急車を呼ぶと言う、大騒動になってしまいました…。

母の日は、毎年アジサイをプレゼントしており、母も、毎年どんなアジサイが届くのか楽しみにしてくれていました。しかし、今年は母はもういません。仏壇にあげようか、色々思いを巡らしながら過ごしましたが、結局、購入しませんでした。
自宅の庭に、これまであげたアジサイが咲いていれば、それを仏壇に供えればいいかな。と、手ぶらで帰宅。

帰宅すると、実家の店で長年働いているお姉さんが、「アジサイ売ってたんだけど、アジサイといえば、ゆみちゃんだから私は買わなかったよ」と話した途端、涙があふれてきました。普段は、そこまで心を揺さぶられることもなかったのに。感じないようにしていた寂しさなのか、お姉さんの悲しみが伝わってきたのか。お姉さんも、家の母との思い出が溢れてきて、仕事中にないてしまったばかりだったそうで、二人で泣きました。

離れて暮らす私よりも、毎日母と、顔を合わせいたお姉さんの方が、記念日反応が酷かったようです。

結局、庭のアジサイはまだ開花していなかったため、カーネーションの入った仏花を買い、墓参りへ。

父には、庭のアジサイが咲いたら、仏壇に供えてね。と、お願いしており、仏壇用に、敢えて花を買って来なかったのですが、お店のお姉さんは、私が母の日に何もあげないのが寂しいようで、仏花用に頂いてあったギフト券の一枚を、めい一杯使って、たくさんの花を供えてくれました。

ちなみに、お姉さんは、母の日=アジサイ と、長年刷り込まれたせいで、アジサイのプレゼントが届かないことに耐えられず、数日後、買ってきて、店に飾ってくれました。

花好きな母に、お花を手向けることが、お姉さんにとってのグリーフワークのようです。

そんなこんなんで、母との思い出と、寂しさを感じながら過ごしていた母の日ですが。。。

昼過ぎ、突然の吐き気。そして、数十年ぶりの嘔吐!しかも、何度も繰り返される嘔吐なんて、生まれて初めてじゃないかしら?
挙句の果てに、回転性めまいで動けなくなり救急搬送。
果たして、「記念日反応」による体調不良だったのでしょうか。

単なる偶然ですね。たぶん笑

結局、耳鼻科の検査は正常。胃の内視鏡検査で、ポリープが見つかりました。

母を亡くしてから、相続の手続きや、法事、今後のこと、私や周りのグリーフ。さらに、家族数名の健康上の心配など重なり、さまざまな心配ごとや、考えないといけないこと、物理的な忙しさなど、思った以上にストレスを抱えて、確かに胃が痛くなることが何度かあったな。

加齢のせいもあると思いますが、短期間に、ものすごいストレスがあったので、あちこちに不調が出て当然ですね。

その後、夜になり弟が、カーネーションをもって現れました。

皆さん、自分の思いに従って、自然な形でグリーフ対策をしているのですね。
そうやって、徐々に大切な相手の居ない世界に順応していくのだなあ。
悲しみに蓋をせず、誰にも遠慮せず、自分の思いに従って素直に行動できる。

私も、お店のお姉さんには、正直に、アジサイ迷ったけど、敢えて買いませんでした。と、自分の気持ちを大切に行動したことを伝えました。

花を手向けたい人、敢えてそれをしたくない人(私と父)…人それぞれのグリーフの違いを尊重しながら、同じ対象者を喪失したという共通のグリーフについては、分かち合い、素直な思いを表現していきたいと思いました。

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