ヒトはなぜナンバーにこだわるのか?
〜ミレニアム2000年の思い出〜
もう四半世紀も前の話になりますが、ミレニアム2000年の年は1月1日から世界各地で千年紀を祝うイベントが華々しく開催されました。当時地球上で一番早く2000年を迎えると言われたニュージーランドのチャタム諸島に世界中から大勢の人が集まったり、グリニッジ天文台があるイギリスでも、フランスのエッフェル塔でも、ニューヨークのエンパイヤステートビルでも、世界中が地球の自転に合わせて秒読みし、次々に新千年紀の幕開けをお祝いしました。そして日本でも世界のミレニアムを祝う光景が夜を徹して報道されました。
〜0(ゼロ)へのこだわり〜
1000年に一度のその瞬間に居合わせた私たちは大変に意義あることだと感じましたが、昨日も今日も明日も同じように太陽が昇り、同じように時が経過していくのですから、どの時も一瞬の通過点に過ぎないとも思えます。それなのにヒトはなぜ数字の区切りにこだわって0(ゼロ)がつくと記念をするのでしょうか?もし数字が十進法でなくオンとオフの二進法だったら1年おきに記念をするのでしょうか?不思議です。
〜記念行事は関係性強化につながる〜
最後に0(ゼロ)がつくとイベントの年として記念行事が盛んに開催されます。創立20周年、30周年、100周年ともなれば学校や会社、クラブなど、あらゆる組織で大々的なイベントが企画され、記念品が配られます。「企業の寿命30年説』と言われますが、30周年は企業が奇跡的に存続したことで、記念すべきことなのです。近年のように時代の変化が加速度的に早いと「10年ひと昔」ならぬ「10年大昔」になってしまい、10年存続すること自体が稀でおめでたいことになってきました。企業にとって周年記念行事は広く世間にPRする機会であると同時に、働く人たちのモチベーションの向上にもつながります。また、お客さまや支援者などすべてのステークホルダーの方々に感謝を表明する機会になるので、細かく刻むことも関係性強化につながる良い機会だと考えられます。
〜記念品のもつ意味〜
周年記念品は法人ギフトの中でも大きなシェアを占めるようになりました。市政100周年から町工場の5周年まで、多くの組織が5年ごと10年ごとに開催するイベントでのギフト需要は数知れません。毎年その年に周年事業を迎える組織のリストが存在するほどです。
とはいえ、組織ごとに周年記念日を迎えるスタンスは異なります、「継続は力なり」だから存続した歴史の重みを祝うのか、新たな出発点として原点に立つ「本日開業の心」なのか、あるいは、ひとつの通過点としてのお祭りなのか、理念やコンセプトによって記念品の選び方が変わってきます。
〜まとめ〜
2027年にはギフト研究所が10周年、また母体となる株式会社山田紙器が110周年を迎えます。
このタイミングを目指して「ありえる未来像に向き合い創り出す営み」ができる組織にデザインしていきます。
一般社団法人ギフト研究所
代表理事 山田晴久