ふるえたから
ふわふわのわたあめ
あのこがたべてたから
だから
わたしも同じのを
ねだったの
だって
あれは
てをあげたの
てをあげたいけど
あたしには
こういう
こういう
かたちでしか伝えられないんだ
そう
だって
仕立て上げる様が
見え見えだろう
あんときの拾われた命
ひな鳥みたいに返してやんなきゃな
だってわざわざかっこ良く
仕上げてくれんだもん
こんな手の揚げ方しかできなくても
あのこは愛されていくのだろう
ずるいずるいずるい
わたしはだから
ゆがみつづけて
そうして
大きな都を手に入れる
わたしのほしかったものは
こっちだったんだ
そう言い聞かせる?
そうじゃない
でも
ここちいいし
きちんと
おひな様みたいに並べられて
そんなことがわたしの夢ではなくて
わたしは
ただあのわたあめが
ほしかっただけなんだ
わたしは
誰が持ってた綿飴かも
もちろん大事な理由だけど
結局
綿飴がほしかったの
それだけなのに
大都を鑑せられて
そちら側の心地よさを
嬉しとてしまうのだろう
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