イベント考〜オンラインとオフラインをどう使う?
新型コロナウイルスに関連して2月25日には政府から基本方針が出されました。
感染の波を小さくするため大規模な感染を防ぐフェーズにあること、
咳エチケットなどの当たり前の対応をしっかりすること、
不要不急の会合などを避けること、
発症が疑われる場合も基本は自宅待機とし医療機関に殺到しないこと、
あたりがポイントかと思います。
小中学校への休校要請の後、多くのイベントの中止が相次いでいます。
節目の行事である卒業式や入学式、入社式などにも影響が出始めました。
北海道では緊急事態宣言が出るなど、外出自体が躊躇われる状況です。
イベント主催に回ることもある立場としては、当然の対処と理解しつつも、
準備されてきた方の思いを考えると残念だと思っています。
世の中のオンライン化のスタート地点になるかも
一方でこの事態が後に残すかもしれない変化がオンライン化です。
働き方のオンライン化であるテレワーク、学びのオンライン化であるeラーニングなどが、これまでにないほど本気の注目を集めているように思います。
そしてイベントについても中止が相次ぐのと同時に、オフのイベント(つまり通常のイベント)からオンラインへのシフトが増えています。
日経新聞主催の講演会や日本最大の地方公務員のイベントであるよんなな会もオンラインになりました。
今まで技術的には可能だったけどあまり進んでいなかったオンライン化が「集会が難しい」という強制力により一気に進んでいると感じます。
主催者側としては緊急避難なのですが、ユーザー側から見たときはある意味で新しい発見ができるタイミングになっていると思います。
実際「オンラインなら参加してみようかな」というような声も聞こえてきています。
メリットとデメリットを考えてみた
一方、自分自身もオンラインイベントに参加してみたりする中で、「イベントのオンライン化」という言葉にすこし違和感を持っています。
なんだか別モノなんじゃないかな、、、というより別モノと捉えて設計した方が面白そうという印象を持っています。
とりあえず今自分が思っているそれぞれの特徴を列挙してみます(とりあえずこ講演会をイメージしています)。
オフラインイベントの特徴
積極的メリット
・同じ時間空間を共有するので盛り上がりやすい
・五感全てを使った体験であり、その場にいないとできない体験がある
・参加者同士の対話による相互作用などが起こせる
・屋外などの場合、開催すること自体が認知を広げることになる
消極的メリット
・お金の受け渡しなどの事務がわかりやすい
・開催ノウハウが貯まっている
デメリット
・地理的制約などにより参加者が限られる
・会場の広さなど物理的インフラの準備が大変
・参加者が多いと場への遠慮が発生する
・認知と参加までの間に時間が必要で、ある程度はやく知らせる必要がある
オンラインイベントの特徴
積極的メリット
・どこからでもアクセスが可能なため、参加者を選ばない
・画面が狭いため、講演者と参加者が1to1で繋がっている雰囲気を作りやすい
・知った瞬間に参加することも可能
消極的メリット
・場を用意したり資料印刷などの手間がない
・話し手も受け手もコストや敷居が低く参加しやすい
デメリット
・空気感など伝わらない情報も多い
・会場がないので話し手がうまくノレないことがある
・開催することを知らないと参加しようがなく、認知とることが最重要
・zoomやyoutube、peatixなどツールをうまく使う必要がある
オフラインは情報量が多い代わりに、コストや制限が高い。
オンラインはコストが低い代わりに、空気感などのムードが作りづらい。
告知面では時間的制約が低い分、オンラインの方が優位ですかね。
あと目の前のディスプレイに講演者が現れる分、心理的距離が近づくのも強みでしょう。
オンとオフを掛け合わせた設計を
自分なりに整理してみると、やはりオフラインのイベントをそのまま撮影してネットにのせればよいというのは少し勿体無い感じがします。
特に「話者と聴衆の心理的距離が近づきやすい」という点は大事だと思います。
全体に見えないトークルームとか用意できれば、相談などを引き出していくには有効そうですね。
このようにオンラインとオフラインは違うと思いますが、実はどちらかしか選択できないというものではありません。
今後は目的に応じてオフラインだけでもなく、オンラインだけでもなく、掛け合わせた設計をしていくと、より幅が広がっていきそうです。
(オフラインの講演会にzoomで参加できたり、質問受付はツイッターやオンライン掲示板を使うとかは想像がつきますね)
オンかオフかではなく、オンでもありオフでもあるに移行していくのでないでしょうか。
危機的状況だからこそ先を考えたい
今はオフラインが不可能であるということで、緊急避難としてオンラインが急速に広がっている状況です。
危機的状況でありとても前向きなチャンスとは言い難いですが、だからこそ何か前向きなことを残すことを考えたいです。
この時期に、テレワークやイベントの配信化などオンラインの体験を増やし、そこから経験を得ることはその一端となるのではないでしょうか?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?