マンガ世界と現実世界の行き来をする作品でありながら、現実世界のキャラクターの言動が極めてマンガチックだったため、終盤のやり取りが全てマンガのキャラクター同士の会話に見えて、マンガの世界の人物も生きている!という展開上のカタストロフが薄まっちゃっていたのはもったいなかったかなと。
既存コンテンツをほぼそのまま取り入れつつ、コント演出で笑いを取ろうとするスタイルは、おそらく福田雄一監督路線をイメージしたものだろうけれど、そうした路線の場合は、やはり1人か2人は怪優にカテゴライズされる役者さんがいないと、フックのないままネタがどんどん流れていっちゃう感は。
キャストの多い作品かつ、あまり大きくないステージ、ということで致し方ないところかもだけれど、舞台からはけるキャラクターからは照明を外す等の演出は欲しかったかなという気持ち。負傷して倒れたキャラクターが、一瞬後に立ち上がってスタスタとはけていくと、ストーリーへの集中が削がれる感は…
ポリコレって、その思想が浸透するとともに、作品をポリコレの視点抜きで評価できなくなるという、諸刃の剣という側面が強いよね、って思う今日この頃。もちろんあらゆる差別は解消されるべきだけれど。(←ポリコレに配慮した文末)