新しい一歩を踏み出すとき、自分に合うフィールド選びが大切
2022年2月。
7年以上暮らしていた東京をはなれ、広島県福山市にある「鞆の浦」という港町に家族で移住をした。人口も3300人と、東京と比較すると小さな規模のまち。
僕の本業は、コミュニティマネジメントに関わる活動になる。コミュニティマネージャーやコミュニティアドバイザーという役割を持ち、さまざまなコミュニティと向き合っている。
そのかたわら、フォトグラファーをはじめることにした。
移住をして、はじめての挑戦だ。
ずっと趣味でやっていたカメラ。
「もっと本気でカメラを取り組みたい!」という想いから、ついにフォトグラファーとして名のるようになった。そこから、鞆の浦にいるからこその依頼がちらほら来るように。
新しい一歩を歩み出すとき、僕がいつも考えていることがある。
それが「フィールド」の選び方だ。
おそらく東京にいたままであれば、僕はフォトグラファーとして名乗ることはなかったのかもしれない。東京にはフォトグラファーが溢れていて、そのなかから見つけてもらうための活動がもとめられ、エネルギーをかなり要するから。
駆け出し前の僕にとっては、その道のりが遥か彼方のように感じられたし、そこにエネルギーをそそぐのであれば、一枚でも写真をとっていたいというのが本音だった。
そういった現実を考えたとき、「どこでやるのか?」その選択が大切になってくるんだと思う。
やりたいこと・挑戦したいことがニッチになれるフィールドはどこなのか?
おもしろがってくれる人はどこにいるのか?
そんな僕にとっての生存戦略がここにある。
大きなフィールドで競争し、勝ち残っていくために頑張ること。
これに合っている人がいるのもわかっているし、そのフィールドだからこその価値があることも理解しているつもりだ。
ただ、僕にはニッチなフィールドが合っていた。
そう、これは『合う・合わない』の話でもあると思う。
小さく素早く動くのが好きなひとは、ニッチさが大切になるだろうし、競争することでモチベーションが高まるひとは、大きなフィールドがいいのかもしれない。
何かの一歩を踏み出すとき、トランジションを乗り越えていくとき、膨大なエネルギーを要するからこそ、自分に合ったフィールドを選んでいくことがなによりも大切なんだろうなと。
もしかしたら、自分に合うフィールドを見極めるために、トランジション期があるのかもしれない。次に歩いていく道のヒントが、そこに落ちていると思うから。
そんなことを、移住を通じて再認識した。