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セフトリアキソン小話

※若干、内容にアレンジ、盛り、あります。
※内容が業界的なので、あしからず。
※感染症や抗菌薬の知識が浅い私の一般的な感想です。

「この生食キット、不良品じゃないですか?液が漏れるんですよ、調べてもらってください。」

こんなお問い合わせがなぜか数件続く。
なんだかんだ、あれやこれや、夢路いとし喜味こいしで、分かったこと。

生食キット製剤から液漏れすると言われる、相手の薬剤が、全部セフトリアキソンだった。他の抗菌薬は、凍結乾燥製剤で、バイアルの底に薬剤部分が固まっているが、取り扱いのあるメーカーのセフトリアキソンは、サラサラの粉末薬剤である。

生食キットとセフトリアキソンのバイアルを、キットを正立させて接続すると、接続針部分を粉末が妨げる形となり、そこから液漏れすることがある。(うーむうまく説明できない)接続する時は、キットをやや傾けるのがコツである。

セフトリアキソンで、もう一つ、はあはあ!すばらしい!という話があったのでご紹介。ある時、問い合わせあり。
「しばらくセフトリアキソン投与していたんだけど、急に肝機能が悪くなった。抗菌薬変えた方がいいかな。」

ここで、後輩のスーパー薬剤師からクリーンヒット。いや、最近の流行りで言うと、アンサング・ヒーローunsung heroすばらしき病院薬剤師である。

セフトリアキソンはカルシウムイオンと配合変化を起こし、沈殿を生じることがある。それとおそらく同じ原理で、セフトリアキソン自体が胆石、胆泥の原因となり得る。そのことに気づいた後輩の薬剤師。肝機能は悪化の原因は、セフトリアキソンの副作用ではないかと考えた。医師に、セフトリアキソン中止と、他剤への変更を提案した。セフトリアキソンは中止となり、肝機能は回復傾向と聞いた。

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