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ベトナム語翻訳-第1章-ベトナム語翻訳における文章分析のスキル-パート1


日本語からベトナム語の翻訳は比較的複雑な仕事で、高い言語能力だけでなく、専門知識や社会に関する知識等も欠かせない要素と言われます。良い品質の翻訳を提供するために必要なスキルの中で、最も基本的なスキルは文章分析です。

序文

グローバリゼーションが高速で進んでいる今の時代、翻訳は国通しの言語に関するギャップを埋める架け橋となり、知識の共有、国通しの文化交流を促進する原動力と見なされています。現在、翻訳業界はベトナムだけでなく他の国でもトレンドとして発展しています。この“ベトナム語翻訳における文章分析のスキル”の記事シリーズを通して、翻訳者の方々に役立つ知識を分かち、高品質な翻訳を目指すことを目的としています。

“翻訳は挑戦、翻訳者はチャレンジャーである”

Peter New Markは“翻訳とは、ある言語の文章またはメッセージを別の言語の文章またはメッセージに置き換える作業である”と述べています。
ベトナム人は日本語を学習する際、文法だけでなく、表現の用い方も深く理解することを目指す必要があります。例:ベトナム語では、赤ちゃんの手を「たけのこの手」と表現することがありますが、日本語では「もみじの手」(赤ちゃんの手は紅葉のようだ)と表現します。他の例では、小さい建物等を述べるとき、ベトナム語では「鼻のように小さい」と表現しますが、日本語では「猫の額のようにせまい」と表現します。

したがって、あるドキュメントを翻訳し始める前に、原文の特徴、対象読者、スタイルなどをよく理解し、原文の内容を正しく伝えるために、文章分析は非常に重要な段階だと言えます。
さらに、多くの翻訳者は新しい単語と出会うとき、辞書で調べてから訳語をそのまま訳文に入れる習慣がありますが、そうすると文章表現が固くなり、全体的な意味もおかしくなる可能性があります。翻訳する前にテーマ、スタイル、文化的特徴を明確にしないと、翻訳原稿の統一性を失ってしまう確率がかなり高くなります。
 ベトナム語翻訳によく用いられる文章分析の方法
ベトナム語翻訳は主に二つの方法があります:
- 原稿を終わりまで読んでから翻訳する。
- 文章を1文ずつ分析しながら翻訳する。
それぞれの方法は人によってメリットが違いますので、品質の高い翻訳版を作るために、翻訳者が自分にとって最適な方法を選ぶことが重要です。
翻訳する際の注意点:
- 伝達メディア(ウェブサイト、雑誌、内部文書等)
- 対象読者 
- ジャンル、分野(技術文書、文学、新聞等)
- スタイル
- 言葉の使い方(専門的、一般的)
- 主語分析(人または物、単数または複数)
- 文法分析(アッパーケース、セミコロン、関係代名詞、接続詞等)
-原文の問題(綴り、誤解を招く情報)

I. 原文分析のスキル

ベトナム語翻訳の作業は、数学の問題のように、解く前に方向と方法を見極めなければ迷いやすくなります。
原文分析の目的は、翻訳の「戦略」と「方向」を確定するために必要な情報を収集することです。翻訳の戦略とは、「誰がこの翻訳原稿を読むか」、「対象読者にとって適切な単語を選択する」等のことです。

原文分析の主な手順を下記の図に示します。

1. 原文分類

原文には多くの種類、テーマがあり、文章の意図を正しく理解すると、より効率的に翻訳する方法を選ぶのに役立ちます。
   例:

  • キーワードの見極めによりその文章の内容を推測することができます。

  • 語彙の難易度(専門的、一般的)によりその文章の専門性を推測することができます。

  • 文章の文体(敬体/常体):文体により文章の学術性を推測することができます。

2. インターネットで情報収集

人工知能に基づく技術開発が進んでいる今の時代、情報を探すことは非常に簡単となっていますが、正確で信頼できる情報源を選ぶことにはスキルが必要です。情報を収集する際の注意点を以下に取り上げます:

  • 原文の一部を取り出し、インターネットで検索して関連情報を探します。

  • 原文のソースが見つからなくても、原文を理解するのに役立ち、関連するウェブサイトを見つけることができます。

  • キーワードで検索:原文にある頻出の高い単語を検索すれば、関連文書を簡単に見つけることができます。

3. 原文のタイトルから特徴を見極める

タイトルは文書で最も重要な部分であり、その文書のキーワードと言えます。したがって、原文のタイトルの翻訳を正しく訳せば訳すほど、内容をより正確に読者へ伝えることができます。さらに、日本語からベトナム語へ翻訳する前に、原文のタイトルをよく理解することで、翻訳者は原文の特徴を見極めることができます。

4. 5W1Hに従って重要な情報を見極める

5W1Hとは、日本語からベトナム語翻訳をする際、適切な翻訳方法を考える前に必要な要素を要約した概念です。具体的には下記の通りです。

  • What:これは何の文書か?

  • Who:主体はだれか?彼らは何をしたのか?

  • Why:なぜこの問題が発生したのか?なぜこの問題について言及したのか?

  • Where:どこで発生したのか?

  • When:問題が発生した流れ

  • How:問題の具体性

この5W1Hの原則を文章分析に適用すると、原文の内容をより理解することができます。

5. 内容分析

原文の内容を理解できれば、全体の分析も簡単になります。下記は重要な3つのポイントです:

  • 文法、語彙の使い方 

  • 文体(敬体、常体) 

  • 主語、述語の分析、語彙の難易度

さらに、文章のスタイル、人称代名詞(1人称、2人称または3人称)など、内容を分析するときに考慮すべき多くの項目があります。上記に基づいて、最も効果的かつ正確な方法で翻訳する方法を自分で見極めることができます。
翻訳は確かに苦労が多く、多くの経験が必要ですが、特定のスキルを身に着けるならそれほど難しい仕事ではなくなることでしょう。日本語からベトナム語への翻訳も、自己改善や言語能力を鍛えるプロセスと言えます。

次回:ベトナム語翻訳-第2章-ベトナム語翻訳における文章分析のスキル-パート2


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