子供の頃、あの映画で野菜が食べられた。野菜やフルーツが出てくる物語で見つける、食の遊びゴコロ
GREEN SPOONは、遊びゴコロがないと食の健康は続かないと思っています。
例えば子どものころ、アニメや本に出てきた食べ物が無性においしそうに見えたことはありませんか?
どんな時に食べるのか、誰と食べるのか、物語を重ねながら味わうことも、食を楽しむための立派な遊びゴコロだと思うのです。
そこで今日は3つの物語から、私たちが野菜やフルーツから得られる栄養以外の豊かさについて考えたいと思います。
そのままなのにおいしいという奇跡を見直す
子どもの時代の野菜の思い出といえば、ジブリの映画『となりのトトロ』を見て野菜を食べられるようになったという人も多いのでは?
“おばあちゃんの畑”で収穫した野菜を川の水で冷やし、サツキとメイがそのままかぶりつくシーンは、今見返してもおいしそう。
おばあちゃんの「畑のもんを食べりゃ、すぐ元気になっちゃうよ」というセリフもいいですよね。
メイがお母さんにあげようとしっかり抱えていたとうもろこしも印象的でした。
野菜単体だけをみればただの食材かもしれませんが、自然の植物がこんなに栄養たっぷりで、味付けをなにもを加えずともおいしいことは、トトロとサツキ・メイ姉妹の出会いのように、本当は素敵な奇跡なのかもしれません。
大切な人の記憶と結びつく野菜やフルーツ
食を通じた五感の記憶は、一緒に食べた人がいなくなっても残り続けます。
映画にもなった児童小説『西の魔女が死んだ』は、どうしても学校にいけなくなってしまった少女「まい」が西の魔女と呼ばれる「おばあちゃん」と過ごすなかで少しずつ自分を見つめ直す物語。
作中には、自然豊かな“西の魔女”の家庭菜園や庭で採れた野菜や果物がたくさんで登場します。
都会育ちの「まい」が初めておばあちゃんと一緒に作ったワイルドストロベリーや、安眠のお守りとして吊るしてくれたたまねぎなど、学校生活で閉じてしまった「まい」の心が再び立ち直っていく過程には、必ず野菜やフルーツが登場しています。
そして、「まい」に対しておばあちゃんが教えてくれた“魔女のなり方”。
「まず早寝早起き。食事をしっかり取ってよく運動し、規則正しい生活をする。まいは今すごく単純なことだったのでがっかりしたでしょう。でもまいにとってそういう単純なことが一番難しいんじゃないかしら?」
これはGREEN SPOONが持ち続けている問いである「ただ、健康でありたいだけなのに。そんな当たり前のことが、なんでこんなに難しいんだろう。」とも共通する言葉かもしれません。
その形、本当はすごく不思議じゃない?
最後は大人だからこその、フルーツの物語について。
「フルーツの名前がついた小説」と言われて真っ先に思い浮かぶ一つであろう、梶井基次郎の『檸檬』。
読んだことはなくても「レモンを爆弾に見立てる」という話の核となる部分はご存知の方も多いと思いますが、作中に出てくるレモンの描写も、読んでいるだけで色や香りが伝わるような鮮やかさです。
いったい私はあの檸檬が好きだ。レモンエロウの絵具をチューブから搾り出して固めたようなあの単純な色も、それからあの丈たけの詰まった紡錘形の恰好も。
そしてふかぶかと胸一杯に匂やかな空気を吸い込めば、ついぞ胸一杯に呼吸したことのなかった私の身体や顔には温い血のほとぼりが昇って来てなんだか身内に元気が目覚めて来たのだった。
この作品におけるレモンはどんな意味を持つのかについては様々な意見がありますが、大人が抱える漠然とした焦燥感を、レモンの持つ生命力あふれる色や香りが吹き飛ばす物語としても考えられると思います。
忙しいとついついスマホを見ながら食事をしてしまって、食材の色や形をじっと見ることは少ないです。しかし、あらためてその色や香りをまじまじと観察してみると、自然界にこんなものが存在している不思議さ、命の力強さを感じられるのではないでしょうか。
野菜やフルーツを、ただ栄養があるから健康だからという理由だけで摂るのは続きません。
ときには物語と重ねて、その野菜やフルーツにまつわる記憶や色、形などを味わってみてはいかがですか?
GREEN SPOONって?
GREEN SPOONはあなたのカラダに必要な野菜とフルーツが毎月届く、パーソナルスムージーです。 こちらの自己紹介でGREEN SPOONが生まれるきっかけや、「なんで材料の状態で届けるの?」といった理由についても書いてます!